とっぷりと日も暮れた深夜。
何となく寝たいような寝たくないような……。
Holly Humberstone ホリー・ハンバーストーン の音楽はそんな時間を満たしてくれる気がします。
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ホリー・ハンバーストーン(Holly Humberstone)は、イギリス・グランサム生まれ、現在21歳のシンガーソングライター。
ミュージシャン仲間のルイス・キャパルディのヨーロッパ・ツアーのサポートアクトとして出演したことで注目を集め、人気を博し、わずか1年足らずでイギリスで最もブレイクしたアーティストの仲間入りをしました。引用元:BIOGRAPHY - ホリー・ハンバーストーン | Holly Humberstone - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
何と言っても2020年発売の『Falling Asleep at the Wheel』の衝撃は印象的で、私も一気に彼女の世界観、言わば哲学めいたものに引き込まれました。
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この曲でホリーはBBCの 「Sound of 2021」(次世代アーティストの登竜門)で2位を獲得。
2022年の今回は筆者の好きな Mimi Webb(ミミ・ウェッブ)も選出♡ 最先端のUKミュージックシーンをチェックしたい方はぜひ注目してくださいね。
ホリーの凄いところは、その歌詞と音楽の雰囲気が瞬間的に聴き手に乗り移るところです。
一度再生すれば、とくに感傷的でなかった心が何かを振り返りたくなったり、急ぎ足を止めて一度深呼吸したくなるような気持ちになります。
それは決して後ろ向きなガイドではなくて、とても人間的で自然的な心地いい時間なのです。
そんな彼女の世界観をまざまざと感じたのがこちらのカバー。
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元からこっちのジャンルの方ですか?と言いたくなるぐらいしっくりくる演奏をしなさる……。
評論家の粉川しの氏の言葉も納得です。
特にホリーの「Fake Plastic Trees」は、25年以上前の同曲で歌われるプラスチックが溢れた大量生産、大量消費のニセモノの時代への憂いを、ティーンの蒼い心象をそのまま空気に乗せたような呟きに、2020年代の少年少女たちの当事者意識に見事に落とし込んでいる。
社会や政治の問題を「自分のこと」として引き寄せるパーソナライズの精神はZ世代の特徴のひとつとされる。
大上段に構えることなく、パーソナルで等身大の歌詞が世界と滑らかに直結しているホリー・ハンバーストーンの歌は、まさにZ世代らしい表現だ。
また、長回しがユニークなMVもホリーの世界観を創る特徴的な部分です。
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私がイギリスのミュージシャンを好きな理由の一つに、お金をかけずに本物思考を貫く姿勢があります(もちろん人によるけど)。
ホリーのMVは動きや展開が自然だから、その動作を目で追ってる間も音に集中できるところがお気に入り。
そして聞けば聞くほど、彼女の世界観にはまっていきます。
同様に、ホリーの歌う「孤独」というのがまた素朴なのに超絶かっこいい。
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ホリーが育ったグランサムはイングランド東部の長閑な田舎町で、地元に音楽シーンなんてほとんどなかったそうで、「そこで育った私は特に荒れたティーンじゃなかったし、クレイジーな経験をしてきたわけでもない」と彼女は語る。
ー略ー
例えば「The Walls Are Way Too Thin」は彼女が地元を離れ、一人暮らしをし始めた時に感じた孤独についてのナンバーだ。
一人ぼっちで過ごす部屋の「壁が薄すぎる」と歌うこの曲は、上京してきたばかりの日本の18歳にもグサッと刺さるはず。
とくにグッときた歌詞はここ。
The house is full, but I'm alone
With all the shit that still needs fixing, out of my control
It takes a hold of me
It takes a hold of me
The same old sad songs I cling to
'Cause I just wanna be out—I just wanna be out of picture
壁が薄いことで気にもしたくない関係性が浮かび上がるモヤツキ。
日々の色々を忘れるためか、むしろそれに浸かって悲劇の主人公ぶりたいためか、暗い歌にすがりつく感じも最高に分かりみ。
強い瞳でノンフィクションな夜や孤独、そしてイギリスの今を歌うホリー・ハンバーストーン。
どうせ同じ夜を過ごすなら、彼女の歌う「ちょっと意味のあるかっこいい夜」を感じてみませんか?
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!
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