少しばかり(少しか?)ブログの更新が途絶えた2021年夏。
変わらずに音楽は聴き続けていたものの何を聞いていたかというと、実はゲーム音楽にどっぷり浸かっていました。
普段は世界の音楽を軸に洋楽や民族音楽などを聴いていますが、コロナが始まって以降ゲーム実況にドはまりし、同時にゲーム音楽というものにも大きな魅力を感じるようになっています。
▼このゲームの音楽もすごくよかった!
今回は2021年夏の音楽記録として、とくに心に残ったゲームの一つ
「To The Moon」とその音楽について書いていこうと思います。
To The Moon とは
カナダのゲームデザイナー Kan Gao 氏の個人スタジオである
FreeBird Games によって制作されたインディーゲーム。
2011年にWindows版がリリースされました。
大手ゲーム販売サイトの Steam でもストーリーの素晴らしさは高く評価され、2011年のGOTY(ゲームオブザイヤー)においてベストストーリー賞を受賞しています。
2020年には Nintendo Switch 版がリリース。
続報待ちではありますが、アニメ映画化の予定もあるようです。アニメーションは日本の大手アニメ会社が担当するらしく、こちらのアートワークを見ると期待も高まる作品になりそうです。
長編アニメ映画版「To the Moon」の素敵なプロモーション用アートワークがお披露目、上映時間は90分規模に « doope! 国内外のゲーム情報サイト
あらすじ
死期が近づいたとき、願い事が一つ叶うとしたら何を願いますか。
願い事を叶えることができる能力をもつエヴァとニール。彼らが向かった今回の依頼人は、灯台の近くの一軒家に住む一人の老人ジョニーでした。
死期を悟った彼の願いは「月へ行きたい」。けれどその理由は彼自身にも分からないといいます。自分の望みなのになぜ?
二人はその理由を探るべく、彼の過去の記憶をたどっていくことに。
彼の記憶は“リヴァー”という不思議な雰囲気をまとった妻の最期から始まります。ベッドに横たわりながら自分の治療よりこの家を守ってほしいと強く訴える彼女。
そして、何度も何度も自分が抱いている奇妙なカモノハシのぬいぐるみや紙で折った無数のウサギについて老人へ質問を繰り返します。
記憶をたどっていくうちにエヴァとニールは彼女がとある障害を抱えていたことを知り…。
果たして老人が月へ行きたいと願う理由は一体何なのか。そして二人は、死期が近づき弱った体の彼を、どうやって月へ連れていくのか。
印象的なピアノの旋律が流れるなか、静かに物語は始まります。
ふわっとしたストーリーの中にも既にいくつかの違和感がありますよね。
老人の過去を追っていくうちにこの違和感が一つ一つ真実を導き、言葉では表せられない感情のエンディングを迎えることになります。
どこまでも優しく切ない音楽
『To The Moon』でそのストーリーと同様に重要なパートを担っているのが音楽です。
ゲーム画面はムービー以外はドット絵で展開されていくので、シーンによっては感情移入しやすい部分としにくい部分が混在していると思います。私もまさかこの時代にドット絵で泣かされるとは思ってませんでした…
その余白を補っているのが、どこまでも優しくどこまでも切ない音楽の数々。
すべての音楽はクリエイターの Kan Gao 、そしてテーマソングを担当している Laura Shigihara が手掛けています。
とくに彼女の歌うテーマソングは胸が震えるほど美しくて繊細。
音楽だけでもその美しさに胸がキュっとなりますが、ストーリーと歌詞を追っていくとさらに切なさが倍増する、このゲームと密接に関わったとても印象的な曲です。
♬ Everything's Alright-Laura Shigihara
歌詞の1番と2番のすれ違いの意味も本編できちんと明かされます。今文字を打っていても涙が出てくるぐらいで、よくできている歌詞だけどそれが余計に切ないんですよね……
Laura Shigihara ローラ・シギハラは、アメリカで活躍中のシンガーソングライター。
日系アメリカ人でフランス人の母、日本人の父の間に生まれ、ゲームにのめりこんだことからゲーム開発やゲーム音楽に強い関心をもったそうです。
Pop Cap Games の『Plants vs. Zombies』の曲を担当したところ、ゲーム音楽界で広く知られるようになりました。
なんとマイクラの曲にも参加しています!
『To The Moon』ではシンプルな曲構成のものが多いですが、イントロの使い方やストーリーに沿った音の擬態など、一つ一つの楽曲を重要視し音楽を丁寧に扱っているのが伺えます。
こちらはゲーム中で流れるオリジナルバージョン。素朴な声をあるがままに録音しているこのバージョン、余計に胸に刺さる…
ストリーマーも涙した名作をぜひ実況で
ストーリーや音楽を楽しむだけなら、名のある実況者さんの動画でも十分この世界観を楽しむことができます。
海外のストリーマーも号泣していましたので、世界共通で素晴らしいストーリーなのは保証済!
数は多くありませんが、日本のゲーム実況者さんも実況動画をあげてらっしゃいます。
実況界ではトップ層にいる有名な方ですね。
国内の人気タイトルから海外のインディーゲームまで幅広く紹介してくれる実況者さんで、私はこの方の動画で仮想空間の中で育まれる感受性や思いやりなど、新たなゲームの側面を知ることができました。実況中の何気ない一言でゲームへの敬意や愛情も感じる、とても尊敬している実況者さんです。(音フェチ&音楽フェチということもあり、サウンドやSEについても触れてくれるのも気に入ってます)
普段は感動をしっかり言葉で伝えるタイプの実況者さんですが、このゲームでは言葉を詰まらせ耐えていた箇所もあるほどでした。
音楽と共にゲームのストーリーそのものも、読み聞かせを聞いているような感覚で楽しんでいただけたらと思います。
とても考えさせられるどこまでも切ない物語。そしてこの物語を救ってくれるかのようなあたたかい音楽。
この夏の素敵な思い出になりました。
▶そのほかのゲーム音楽、映画音楽についてはこちら
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!
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