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【The Big Push ギタリスト】Romain Axisa ただただ音とその“一瞬”を楽しむ贅沢な音楽

Colours

 

数年前からイギリスはブライトン出身のThe Big Pushにはまっていることを、度々ブログでも書いてきました。

musiccloset.hatenablog.com

彼らのデビューは2019年とまだ若いバンドですが、ボーカルの Ren は既にソロプロジェクトで有名だったり、その演奏レベルの高さだったりで、着実にイギリスバンド界での認知度を高めています。

今回はそんな The Big Push のギタリストである Romain Axisa について簡単にご紹介。

 

そもそも私がこのバンドにハマった理由は、Romain が奏でる音と歌声、そして彼の纏う本当に音楽を楽しんでいるようなプレイスタイルからでした。

こちらはストリートで往年の名曲をカバーしたメドレー。冒頭でボーカルをとっているのが Romain です。


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何と言いますか。少しくぐもった声に、皺が出るまでクシャクシャに笑いつぶす笑顔にまず惹かれました。

本来のメインボーカルはベースの Ren なんですが、私は Romain のスモーキーな声もこのバンドに合ってると思うんですよね。音に奔放な感じの響きも良くて。

ギタリストらしい(?)悪ぶっているスタイルもセクシーなんですが、どこまでも自由で自然で、自身の顔がにやけちゃうようなプレイスタイルが好きなので、余計に目を魅かれたんです。

バンド自体が60~70sのサウンド(とくにサーフロックの影響がチラチラ?)に傾倒しているのは勿論、アレンジもなかなかに秀逸。耳が肥えているブライトンっ子たちもこの通りです。

 

Romain は12才でギターを手にしたようで、その時の衝撃について語っています。


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毎日7時間ギターが手から離れなかったようで、本当に人生のパートナーのような出会い方だったんですね(ギタリストはみんなそうなのかな?)

お兄さんの影響も多分に受けているみたいで、お兄さんのプレイスタイルも気になります。Romain にそのままギターを譲ってくれたのも感謝!

 

彼個人の音楽的な変遷は分からないですが、The Big Pushはツェッペリンストーンズビートルズなどの王道ロック、ブラーのようなブリットポップニルヴァーナピクシーズのようなグランジストロークスなど2000年代以降の復権バンドから影響を受けているようです。

www.bn1magazine.co.uk

ここから何となく Romain 個人の音楽遍歴を想像するのもおもしろいですよね。最近の傾向を見るとフレンチ・レゲエにハマっているように見えます。

 

そんな Romain は The Big Push の活動と並行してソロプロジェクトにも力を入れています。その中でも気にいっている曲をいくつかご紹介です。

 

Tomorrow will be


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サウンドホールから覗く日常の情景がこの曲にぴったり。

ゆったりと流れるままに。今在ることを感じて日々の移り変わりを感じる。そんな彼の楽観的で風来坊のような固執しない考えが伝わってくる一曲。

私はこういう人を“リアルスナフキン”と呼んでしまうのですが、彼のように自然のまま「力まない」感性で生きている人が好きです。ちょうどコロナ禍真っ只中のPVだったこともあり、何度も見ては癒されました。

中盤でゲスト出演するビッグ・プッシュの Gorran Kendall が奏でるハーモニカもいい感じ。

 

Metamorphosis


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後半のレゲエフレーズが耳に残ります。

Romain のギターよりボーカルの才能に注目したい一曲。フワフワしていて掴みどころのない声質も好きです。衣装も似合ってる!!

 

BLUE


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まるまるギター一本で作ったインスト。Romain のなかでも特に気にいっている曲です。

メインフレーズはもちろん、重なる音が鳥の囀りや波のさざめきに聞こえるのが憎い。まるでギターをキャンパスにして音で絵を描くような演奏に、自然とこちらの表情まで綻びます。ほんと、ギターを手にしたらどこまでも自然で楽しそうな人。

ほかに『GREY』『BEIGE』とカラー三部作の曲があります。彼のファッションを見ていると何となくですが、好きな色なのかもしれませんね。

 

Knockin’On Heaven’s Door


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ボブ・ディランのカバー。レゲエアレンジすることで、また違う哲学が生れてくるような、そんなこともないような。

Romain はかなり頻繁にストリートパフォーマンスをやっています。生粋のバスカーって感じで、これまた楽しそうにプレイする姿が印象的です。

ちなみに大道芸を意味するバスキング(Busking)は元はスペイン語の Buscar(求める)に由来するんだそう。イギリスのイメージが強かったので驚きでした。

バスキングって何?バスキング(路上ライブ)の由来や歴史、バスカー達の暮らしとは? - BUSKING LIFE.COM | バスキングライフ ドットコム

 

Romain は2022年3月に初のEP『Metamorphosis』をリリースしたほか、各種シングルも定期的に発表しています。

このジャケット、映っているのは Romain 自身。SNSでは「冷たい海辺の風が吹く寒空の下、お尻を出す仕事って大変なんだね」と話してました。

 

各種シングルのジャケットも好きです。

It All Feels Old

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Glad you're breathing

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  • Mama was a hippie
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Grey

Grey

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肌寒くなり、だんだんと秋深まる今日この頃。

ついつい物憂げに考えてしまうこの季節に Romain の曲はしばしの小休止を与えてくれるような気がします。

感じるままに。流れるままに。

時には一呼吸して、ぼーっと景色の移ろいを感じながら「意味を探さない」瞬間を過ごすことも大切なのかもしれません。

自然体のまま音とその瞬間を楽しむ、そんな彼の魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。

 

▶そのほかのイギリスアーティストについてはこちら

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ここまでお読みいただきありがとうございました!

今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!

 

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