ある日、ネットで偶然このアルバムジャケットを発見。このアルバムは父がよく聞いていて家族旅行のときによく車内でリピートされていました。
これを見て強烈な懐かしさにおそわれ、かつてないほど彼女たちの映像や音楽を聞きまくってしまった私。映像は見たことなかったから興奮したわ…
今回はちょっと趣向を変えて昭和を代表するガールズロックバンド
について書いていきたいと思います。
Biography
プリンセスプリンセスは1986年にデビューしたガールズバンド。
日本における女性バンドのパイオニア的存在で、1989年には女性のみのバンドとして史上初の武道館ライブを成功させました。
ツアー総動員数は約190万人。ガールズバンドとして未だこの記録は破られていません。
楽曲のほとんどを自分たちで手掛け、シングルはオリコン1位を数多く獲得。アルバムもミリオンセラーを記録しています。
最近もTikTokで彼女たちの楽曲「ダイヤモンド」が話題になり注目を集めました。
♬ 19 GROWING UP -ode to my buddy- PRINCESS PRINCESS
え…普通にかわいい!!この人のパフォーマンスってこんなにキレッキレだったんだ!衣装の色使いも普通に好き。
メンバーは以下の5人。解散から限定の再結成まで同メンバーで活動。これがまた等身大でありながらいい感じに個性豊かなメンバーなんですよね。
岸谷(旧姓:奥居)香(vocal)
猪突猛進型の学級委員タイプ。一本気でロックなことに熱い音楽面のリーダー。バンドのほとんどの曲を手掛けたメロディーメイカーでもある。
中山加奈子(guitar)
女も惚れる本格的ロッカー。ほとんどの人が一番最初に目につくようなカリスマ性があり、楽曲制作にはめっぽう熱い。
渡辺敦子(bass)
落ち着いた真のバンドリーダー。一歩引いたメンバー裁きのおかげでプリプリは仲が良いまま活動できたと思う。
今野登茂子(keybord)
フワフワしてちょっとしたお嬢様タイプ。でも努力家で時折見せる感性が鋭い。メンバーの中で自分が一番かわいいと公言してるのもスキ!
富田京子(drum)
キャラ的ムードメーカーな一方、冷静な観察眼もありバンドに対する思いがしっかりしている。当時女の子がドラムを叩けたというのがまず凄いと思っちゃう。
:
どうですか?
読んだだけでワクワクする、少女漫画みたいなバンドでしょ?
メンバー自身も言ってたけど、クラスにいたら全員が違うグループに属してただろうし、逆を言えばそれぞれのタイプがクラスに一人はいるような…
そんな個性と等身大の魅力がオーバーラップする絶妙なメンバー構成なのです。
Music
プリンセスプリンセスは代表曲が多いことで有名です。
ある期間のアルバムには本気で全曲捨て曲なし!という勢いもありました。
ここでは言わずもがな、な名曲を中心に、個人的に思い入れのある曲について書いていきます。
♬ Diamonds
説明不要の彼女たち最大の代表曲。
このフレーズで売れずして一体何が売れるんだ、と思うほど当時のベーシックなJ-POPのツボを押さえています。
“冷たい泉に素足をひたして”
から始まるありそうでなかった歌詞も印象的。楽曲はとにかくかわいい。
なんにも知らない子どもに戻って やり直したい夜もたまにあるけど
あのとき感じた予感は「本物」
この一節も軽やかで同時にぐっとくる。
褪せることのない青春のしなやかなさが彼女たちの楽曲の真骨頂じゃないかな。
♬ M
こちらも説明不要の大名曲。
だいぶ後になってDiamondsとこの曲が一枚のシングルに収められていたと知ったとき、俄かには信じがたかったなぁ。冗談ぬきに歴史に残るシングル構成の一つ。
バラードロックがめずらしいプリプリの楽曲のなかで、この曲が放つ「陰」の魅力がそのほかの「陽」の楽曲を底支えしているといっても過言ではありません。
ダイヤモンドという曲の後ろから静かな光で夜明けを運んでくれるような、切なさと同時にそれだけではない力強さを感じられる一曲です。
“星が森へかえるように…”
このフレーズ、絵本みたいな情景的美しさもあって、恋愛なんて知らない頃から印象的な歌詞でした。
♬ OH YEAH!
奥居香さんは多くのアーティストやCMに楽曲提供していてソングライティング能力の塊のような人。
とくにこの頃のヒットメーカーぶりは恐ろしいほどで、多くの人が「自分の手に掴めそう」と思えるポップロックの姿を明確に想像できていたんじゃないかなって思う。
お祭りソング的な「陽ポップ」でヒットを飛ばし続けるのはとても難しいことだと思うのですが(普通はバラードを挟んだりかっこいい路線に変更したりする)、彼女たちはそれを成し遂げていたっていうのも凄い…
♬ GET CRAZY!
香さんの声の妙を再確認できる曲。酒やけのようなハスキーボイスと朝の連続小説ヒロインのようなまっすぐな声の応酬。これ癖になる!
というかこの曲をこの年代の女の子が書いたって…やっぱり凄すぎじゃない?
♬ パイロットになりたくて
がっかりの繰り返し ぐったりと振り出しへ
それでもまた ガタガタ今日も行く
という歌詞に彼女たちが目指していた煌めきを感じてやまない。それなのにというか、ラストは“ザ・ガールズコーラス”で締めるのもキュート!
♬ MY WILL
冒頭からサビまでアイドルフレーズも折込み、なかなか読めない展開が続きますが、これも彼女たちが持つもう一つの世界感で好き。
「ロックでありたい」気持ちと「自分らしく(等身大の女の子で)ありたい」気持ちを惜しみなくさらしたこと。これは彼女たちが後進のガールズバンドに残した音楽的な功績だったと思います。
Song Writing
プリンセスプリンセスにはメンバー全員にソングライティングの才能があります。
ここでおもしろいのが、曲によって違うメンバーが歌詞を書いているのに
まるですべての曲が一人の女の子の気持ちをつづっているように聞こえる
ということです。
香さんの曲の世界感に統一されているのはもちろん、ですがこれはボーカルが誰か一人を演じているというのとも違っていて、
バンドのなかにいつの間にか一人の女の子が住み着いてしまった、もしくは彼女たちが気づかないうちに生み出してしまった、と思ってしまうほど
どんな曲調であっても根底は変わらない、一人の気持ちの動きをずっと追っているような不思議な気持ちになるんです。
曲によって言葉遣いや恋愛の仕方も明らかに変わっているのにホントに不思議…
あるインタビューで香さんは
「私たちは全員、恋とかもいろんなことに一途に全力。二股とかちょっと遊びたいとかそういうのも否定しないけど、私たちはそれをしない。」
というような言葉を残していました。
もしかしたらこれがバンドの醸し出す、
かしましくもピュアな雰囲気や、刹那的な青春のもどかしさ、そして聞き手が“ある一人の女の子”を感じてしまう共通点なのかもしれません。
ちなみに香さんはあまり詞を書いていないので、余計にこの現象がすごいことだと思うんだ。
プリプリロスは体験できなかったけど
私にとってプリプリは子守歌にも近い、幼少期にわけもわからずハマっていた音楽です。
それも運よく父がずっと聞き続けてくれたから出会えたわけで、普通に考えたらスルーしてしまうような、おそらくは彼女たちの音楽と交わらないタイミングの人生だったと思います。
けれど、恋も青春も認識できない子どもの頃からダイヤモンドを歌い、Mに感動し、OH YEAH!で踊り狂った私には、いつしか彼女たちの音楽が子ども時代の心象風景のようなものになりました。
そして今、改めて彼女たちの音楽を見て・聞いているわけですが、
動いているプリプリを見たことがなかった私にとって、幼少期に「音だけを聞いていた人たち」の歌い方やしぐさ、目線の先まで、すべてが新鮮。
食い入るように見入ってしまい、それこそ実際に体験できなかった「プリプリと共にありたかった青春」を疑似体験しているような気分です。
そう考えると改めてYouTubeというプラットフォームには感謝だな~。
皆さんの “普段は忘れているけど、聞くと懐かしくなる曲” は何でしょうか?
普段は忘れてるっていうのがポイントなので、無理に思い出すものでもないと思いますが、もし何かのタイミングでその曲に再び出会ったら、とことん聞いてみるのをおススメします。
聞けば一瞬でタイムスリップできる。そしてそれ以上のものも運んできてくれる。
音楽の力って本当に不思議なものです。
▶そのほかのガールズユニットによる音楽についてはこちら
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