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Jesse Cook ジェシー・クック 異国情緒あふれるフラメンコギターの魅力

Beyond Borders

 

いつの頃からでしょうか。

うだる夏の暑さのなか冷房もかけず、より熱さを感じる音楽を聴くようになりました

とくに理由はないのだけど、たまに入ってくる微風の有難さも感じるし、思考回路が定まっていない中で聞こえる音色も単純に脳にとっては中毒性が高いわけで。

もしかしたら無意識に日本の夏とは違った「暑さ」を疑似体験している気になっているのかもしれません(危険なのでやめましょう)

 

そんなことはさておき。

今回は国内でも聞ける異国情緒たっぷりなフラメンコギターの音色について書いてみたいと思います。

 

◆Jesse Cook - Closer To Madness


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「ザ・アラビアンスパニッシュ」な音楽。家のなかで一人タオルターバンを巻きながらエセフラメンコを踊り出してしまいそうなぐらい雰囲気たっぷりな曲です。

 

  

Biography

 

Montreal: Live

 

Jesse Cookジェシー・クック)はカナダ出身のギタリスト。

カナダ国内の音楽賞 Juno Award(JUNOS)にて受賞経験をもち、とくにフラメンコギター、スムースジャズにおいて定評があります。

 

クラシックギターやジャズギターを学ぶ傍ら、ロマ音楽にも傾倒していたというジェシー

1995年『Tempest』以来コンスタントにアルバムを制作し、これまでに12枚のスタジオアルバムをリリースしています。

自らのプレイスタイルに、アルバム制作や世界中でのパフォーマンスをとおして身につけたルンバ・フラメンコの要素も織り交ぜているのが特徴です。

 

1998年に JUNOS インストゥルメンタルアーティスト男性部門ノミネート。

2001年、最優秀男性アーティストノミネートされ、同受賞式においてアルバム『 Free Fall』が最優秀インストゥルメンタルアルバム賞を受賞します。

 

 

2009年、Acoustic Guitar's Player's Choice Award ではフラメンコ部門において準優勝(このときの優勝者はフラメンコギター界で最も偉大と称されるパコ・デ・ルシア

さらにスムースジャズアワードでは3度もの受賞歴を持ち、現在名ギタリストの一人として知られています。

 

Music おすすめ曲

 

数あるジェシー・クックのなかでおすすめの曲は無限にあります。

とくにロマ音楽/ルンバ/フラメンコ音楽が好きな方、好きになり始めた方には特におすすめ。気軽に本格的な演奏が楽しめますよ!

 

Jesse Cook -Jaleo 


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軽快なビートに合わせた凛としたギターの音色が際立ちます。

ジェシーのギターはワールドミュージックにどっぷり浸かっていながら、きちんとした格式っぽさも消えていないところが個人的には好きです(これは賛否分かれると思いますが)。

間奏部分ではバレエのモーションと共に上がってくる昂揚感が癖になります。

 

Jesse Cook- Breeze From Saintes Marie


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ギターが歌っているとはまさにこのこと。うーん、何とも豪華な競演です。

パンデミック中のリモート録音ということですが、録音でこのレベル。これコンサートで聴いたら一体どうなっちゃうんでしょう。

バンド仲間との一幕。ラスゲアード、トレモロの応酬など、フラメンコギター特有の奏法もたっぷり詰まった、魅力あふれるめちゃくちゃ贅沢な一曲でございます。

 

Jesse Cook - Rain


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フラメンコギターは基本的に余韻がカラッとしていて響きが明るいのが特徴的ですが、だからこそこんな哀愁のある音楽では別の表情も見せてくれます。

スローで音を引きずるようなバックサウンドに、毅然としたギターメロディーが意思のある孤立を引きたてているように清々しく響いていますね。

 

ラメンコギターについて

 

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フラメンコギターはクラシックギターの一種だと言われています。

両者はほぼ同じ構造なのですが、細かい点でいくつかの違いもあり、その違いで皆さんが想像する「ザ・フラメンコ」なギターサウンドが生まれます。 

 

①ボディが軽い

クラシックギターと比べて軽い糸杉(シープレス)が使用されており、本体そのものも薄い材質を使っているので重量が軽くなります。


②弦高が低い

歯切れがよく立ち上がりの鋭い音を出すために、弦高が低く作られてあります。

クラシックギターは正確で完璧なピッチが求められますが、逆にフラメンコギターは多少の弦のビビり(弦がビリビリ響いて不快な音がでること)や荒削りさも歓迎されます。

この特徴によってパッション重視の「あの」フラメンコサウンドが生まれるわけです。

 
③表版(トップ)は厚め

フラメンコギターにはゴルペ奏法という表面を強く叩いてリズムをとる特徴があるので、その分傷がつかないようにゴルペ板というギターを保護する透明な板が装着されています。

 
④音のレスポンスが短い

これまでのまとめのような特徴ですが、以上の構造からフラメンコギターはクラシックギターに比べて音の余韻を残す時間が短くなります。

パンっと音が立ちあがり、スカっと消えていく。

この響きの特徴から、フラメンコギター特有のラスゲアードやゴルペなどの激しい表現方法が確立されていると言えそうです。

 

フラメンコギターの音域は3.5オクターブ。

初心者用ギターの相場は4~5万円だそうですが、楽器あるあるのピンキリで、高いものでは100万代のものも普通にあります。

 

とがき 

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音楽が好きになってからずっとベース推しが続いていたのですが、ここ最近になってようやくギターにも耳がいくようになりました(…おっそ)

個人的にはこのジェシー・クックやジム・クロウチのような湿り気がないからっとした(それでいて凛としている)響きの音色か、逆にスモーキーに全振りしているようなリチャード・トンプソンのような音が好きです。

 

 

 

日本の夏は言わずもがな湿り気たっぷりですので、こんな時期にはあえて乾ききった熱いギターサウンドを聴いてみるのも一興かもしれません。

 

でも無理せず冷房はかけましょう!

そして必ず水分も摂りましょう!(当たり前)

 

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▶そのほかのインストゥルメンタル音楽についてはこちら

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