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【心温まるステージ】 Kennedy Center Honors ケネディセンター名誉賞を知っていますか

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アメリカには芸術分野だけでも多くの授賞式があります。

なかでもアカデミー賞グラミー賞トニー賞エミー賞などは世界でも有名ですよね。

授賞式当日は盛大に行われ、受賞者も視聴者も胸が高まる一日となっています。

 

そんな数ある式のなかでも、思い入れのある賞が

Kennedy Center Honors ケネディセンター名誉賞。

 

とくに今年(2020年受賞者)は

ヴァイオリニストの五嶋みどりさんが受賞という大変おめでたい報せがありました。 

 

賞の性質ゆえか、ほかの式と違って日本では大きく取り上げられることがないケネディセンター名誉賞ですが、

今回は、この式でしか味わえない音楽(パフォーマンス芸術)の美しさとその歴史の魅力について書いていきたいと思います。

 

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※使用している画像はイメージです 

 

 

ネディセンター名誉賞とは

 

ケネディセンター名誉賞とは1978年から始まった芸術家に贈られる賞。

アメリカ文化の発展に大きな貢献をした舞台芸術関係者に贈られ、今年(2020年時点)で43回目を迎えます。

 

受賞者の発表は毎年9月のレイバー・デー(労働者の日)期間で、祝賀公演は12月にジョン・F・ケネディセンター歌劇場で開催されます。

2020年の祝賀公演は新型コロナウィルスの影響で2021年6月6日に開催。

名誉賞の祝賀公演ではアメリカ大統領夫妻も参加し受賞者を讃えるのが通例ですが、トランプ前大統領夫妻は2017~2019年欠席したことも話題になりました。放送局はCBS

 

開催場所の John F. Kennedy Center は、舞台芸術のために1958年に設立された総合文化施設

ミュージカル、演劇、バレエ、オーケストラ、ジャズ、ポピュラー音楽など、年間の公演数は3000件以上にもなります。

 


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2020年の受賞者

 

受賞者は通常5名(グループは1枠として数える)。

2020年の受賞者は以下のとおりです。

 


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去の受賞者

 

43年の歴史のなかには数多くの著名人が名を連ねます。ここではそのほんの一部を音楽分野を中心に、大幅に抜粋して紹介します。

全員素晴らしすぎるアーティストばかりなので、ぜひほかの受賞者もチェックしてみてくださいね!

The Kennedy Center Past Honorees 参照

尚、受賞者はほぼアメリカ出身者ですが、まれに海外出身者も含まれます。

 

1978年 リチャード・ロジャース(作曲家) 

リチャード・ロジャースについての記事はこちら

musiccloset.hatenablog.com

1980年 レーナード・バーンスタイン

1983年 フランク・シナトラ

1986年 レイ・チャールズ

ジーニアス・ラヴ ~永遠の愛

1989年 ハリー・ベラフォンテ、ウィリアム・シューマン

1990年 キャサリン・ヘップバーン(俳優)

1994年 アレサ・フランクリンピート・シーガー 

ピート・シーガーについて書いた記事はこちら

musiccloset.hatenablog.com

1995年 B.Bキング

1997年 ボブ・ディラン

2000年 クリント・イーストウッド(俳優、映画監督)

2001年 ジュリー・アンドリュース(舞台俳優)

2004年 エルトン・ジョン

2006年 ドリー・パートンスティーブン・スピルバーグ(映画監督)

Pure & Simple

2007年 ダイアナ・ロス

2010年 ポール・マッカートニーオプラ・ウィンフリー

2012年 レッド・ツェッペリン

2015年 キャロル・キングジョージ・ルーカス(映画監督)

2019年 アース・ウィンド・アンド・ファイアー、セサミ・ストリート(教育番組)

We're Different, We're the Same (Sesame Street) (English Edition)

 

受賞者は単に各分野で功績を残し、セールスで莫大な富を手にした人というわけではありません。

その人と作品、そして彼らが生きた人生そのものが、アメリカの文化であり歴史の一部

と言えるようなアーティストだけが、この賞を受けることができます。

日本でいう国民栄誉賞紫綬褒章の意味合いに近いかもしれません。

 

動的な祝賀会パフォーマンス

 

2021年には祝賀会のテーマソングが作られ

Kristin Chenoweth クリスティン・チェノウェスとDavid Foster ディビッド・フォスター

が担当しています。

 

まずこの曲がすごい。

この一曲に Kennedy Center Honors の魅力がすべて詰まっていると言っても過言ではありません。

 

 ◆Kristin Chenoweth & David Foster - Human Spark Divine

 
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歌詞もメロディーもこれぞ Kennedy Center Honors という感じで威厳と希望に満ちた一曲。

 

私がこの受賞式に惹かれる理由は、個人の功績に賛辞を贈るとともに、

その作品から生まれる副産物(感動や遺産的ストーリー)を人々の共有財産として分け合い、そのことに感謝し讃えていることにあります。

その様子がよく分かるのが、祝賀会のパフォーマンスステージです。

 

この祝賀会において受賞者はパフォーマンスをしません

舞台は他のアーティストに託され、受賞者の代表曲をカバーするという形で進行します。

そしてこれが毎回感動ものなのです。

受賞者を心の底からリスペクトし讃えたいと思っているアーティストたちからの愛に満ちたパフォーマンス、

それを受けた受賞者の感謝と喜び、そして何より

同じ道を志している同志としての絆が両者の間に垣間見える瞬間。

オリジナルの手から離れほかのアーティストがパフォーマンスしても、その作品や受賞者の輝きは少なくなるどころか、ますます魅力的になり、

観客は目の前のステージに受賞者が生きた時代や芸と共に歩んだ人生そのものを重ね合わせます。

そして素晴らしい曲を提供し続けてくれたこと、シンプルにその作品が存在すること自体に感謝せずにはいられなくなる。

 

ここでは過去のくに感動的なステージのいくつかをあげていきます。

※受賞者←パフォーマーの名前で表記してあります

 

Carole KingAretha Franklin


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アメリカを代表するシンガーソングライターのキャロル・キング

君の友だち

同じく過去に受賞歴のあるアレサ・フランクリンの素晴らしいパフォーマンスに、キャロル・キングが取り乱しまくっているのがかわいい。まるでファン丸出しの女子高生みたいなところを見れる貴重な瞬間でした(笑)

途中からはオバマ元大統領夫妻(とくにミシェル夫人)もヒートアップしてます。

アレサ・フランクリンに対するビッグリスペクトから、音楽を創るうえでキャロル・キングが何を大切にしていたのかが伝わる、大きな感動に包まれた瞬間でした。

 

Sting ← Bruno Mars


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意外だったパフォーマーの一人(ブルーノは陽でスティングは陰のイメージが強かった)

聴いてみたらめちゃくちゃスティングの世界観に自然と馴染んでいて、やっぱり

ブルーノ・マーズってすごいアーティストなんだなぁと今更ながら尊敬。

若いアーティストとの交流も大切にしていたスティングの人柄や人徳も感じた素敵なパフォーマンスでした。

 

▼スティングについてはこちら

musiccloset.hatenablog.com

 

最後は他の受賞者も全員出てきちゃったし、ガガもめちゃくちゃ楽しそうでいいステージだったんだな~ととくに印象的でした。

The Very Best Of Sting And The Police

 

Sesame Street & Thomas Rhette


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こちらはセサミ・ストリートの面々も共にパフォーマンス。

ラストのSing a Song人形使い師の方たちが出てきたときの空気の鮮やかさ、そして会場を包む温かな感動といったら。

初めてお顔や表情を拝見しましたが、それだけで「やっぱりものすごく魅力的な人たちがセサミ・ストリートに携わってるんだなぁ…」というのが分かり、しみじみ感動してしまいました。

人形使い師の方たちの笑顔も立ち居振る舞いも本当に素敵だった!何よりパフォーマンス中でもひかない温かな拍手がそれを物語っています。

 

回受賞者の発表

 

この記事を書いていたらタイムリーなことに、次回第44回の受賞者が発表されました! 


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ベッド・ミドラージョニ・ミッチェルが同時期に受賞というなかなかのパンチ力。

 

Bette Midler - Rose


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Joni Mitchell-A Case Of You


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次回のパフォーマーは誰になるのでしょうか。今からそのステージを見るのが楽しみです!

 

とがき 

 

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現在第一線で活躍中のアーティストもいつかはこの賞を受賞する時がきます。

(個人的にレディ・ガガビヨンセエミネム、オアシスあたりは手堅いと思ってる。)

 

それがいつの、どんな時代で祝うことになるのか。

今は誰にも分からないけれど、確実に彼らの表情の皺も深まり自分の身も年老いていることだと思います。

想像すると少し恐いけれど、こうやって誰かとともに人生を振り返り歩んできた道を互いに祝福できたら、なかなか上等な人生だったと思うんでしょうか。

そんなことも思わせてくれる Kennedy Center Honors は、音楽や芸術という興味にとどまらず、私にとってとても感慨深い授賞式の一つなのでした。

 

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Thank You For Reading.