彼が手掛ける音楽はインド古典音楽と西洋音楽をバランスよく融合しているのが特徴で、初めてインド音楽を聴くきっかけとしても最適です。
2000年以降関わった映画作品、なんと125本以上(!)という膨大な彼のキャリアに軽く触れながら、とくにおすすめの曲をご紹介していきます。
First Class(映画『Kalank』より)
Biography
Pritamは1971年インドの西ベンガル州の州都カルカッタ生まれ。
幼少期より父親から音楽のトレーニングを受け、在学中にはギターを弾くようになります。
Presidency college(カルカッタ)在学中、FTII(フィルム・アンド・テレビジョン・インスティテュート・オブ・インディア)に参加し、サウンドレコーディングとエンジニアを担当。
Film and Television Institute of India
その間バンドを結成しながら他新進気鋭のアーティストと出会い、多くの有名ブランド商品のコマーシャルソングを担当し、インド音楽界にその名を広めていきます。
その後2001年に初の映画作品『Tere Liye』の音楽を担当。音楽は好評でしたが、映画の興行収益は芳しくありませんでした。
ですが、2001年『Dhoom2』にてPritamが担当した音楽が大ヒットします。
Pritamの音楽は、総じてインド古典音楽と西欧のポップシーンの融合を意識した作りになっていますが、この曲からすでにそのこだわりを感じます。
英語版とヒンディー語版をリリースしたこの曲はインド映画界にとどまらず、イギリス、アメリカ、東アジアのパブなどで人気のトラックとなりました。
さらに『Jab We Met』のダンスソング「
その後『Once Upon A Time in Mumbai 』や『Barfi!』など数々のビッグタイトルの映画音楽を担当。
その後も話題はもちろんのこと数々の音楽賞を総なめ、ノミネートや受賞などレッドカーペットの常連になっていきます。
2022年現在の担当映画作品はなんと125本以上。2000年代からのキャリアで考えると、凄まじい仕事ぶり。まさにボリウッド音楽界になくてはならない存在として更なる活躍を続けています。
代表曲・おすすめ曲
Pritamの音楽はインド古典音楽を踏襲しながら、現代のダンスポップシーンと融合させた作品が多くあります。
一方でバラードやミディアムポップ、ほかにも大きく西欧の影響を受けたものもあり、彼の音楽が様々な映画作品で重宝されていることが分かります。
Ghar More Pardesiya(『Kalank』より)
冒頭の『Kalank』より「Ghar More Pardesiya」。おそらく数ある彼の作品のなかでも最高傑作の部類に入るのでは。
2019年の作品ですが、今でも聞いてしまう大好きな一曲。
一瞬でインド映画だと分かる旋律でありながらアレンジの妙も手伝い、とても聞きやすい。天上の音楽のごとく軽やかに歌うバックシンガーのシュレヤとヴァイシャリのハーモニーも夢心地で何度もリピートしちゃいます。
『Kalank』は作品評価・興行収入こそ奮いませんでしたが、美術や衣装、音楽・舞踊演出は近年でも群を抜く出来栄えと評価を得ているので、目の保養として鑑賞するのも良いかもしれません。
Pee Loon (『Once Upon A Time Munbai』より)
2010年の大ヒット作『Once Upon A Time Munbai』はムンバイのマフィアギャング、Haji Mastanについて描いた作品。
ギャング世界がテーマであるにも関わらず、主人公とヒロインの関係をあらわす「Pee Loon」は穏やかに優しく展開していきます。
注目は冒頭のコーラス。高名なプレイバックシンガー Mohit Chauhan 開放的で温もりのある歌声が響き渡ります。
Marshmello × Pritam-BIBA
Pritamは知らなくてもMarshmelloなら知ってるよという方は多いかもしれません。
マシュメロらしいメロディラスなEDMサウンドにボリウッドテイストを合わせたこの曲は、パーティーソングとはまた一味違ったキレの良さが魅力。
ちなみにPritamもPV出演しています(髭のおじさん)。また、マシュメロの被り物をとった正体がボリウッドの大スター
Bhool Bhulaiyaa 2 Title Track
個人的スルメ曲。2022年公開の『Bhool Bhulaiyaa 2』テーマ曲です。
ボリウッドコメディーホラー映画ということで、作品もおもしろそう。
本格的なヒップホップも得意とするPritamですが、とくにこの曲はプレイバックシンガーの Neeraj Shridhar のボーカルが繊細。コントラストのある美しさがあって良かったです(実際Neerajはイカツイ兄ちゃんだけどね…)。
今回はコーラス部分に古典音楽を匂わせていておしゃれ。
映画自体の興行収入も2022年の第三位をマークしたそうで、このPVも2022年11月現在2億2000万回を超える再生数を誇っています。
それにしても、ほんとに色んな曲書けるPritamおじさん凄すぎ…!
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二十年ほど前からボリウッド映画の大躍進は始まりましたが、それに伴い映画音楽、また俳優に代わり歌を披露するプレイバックシンガーの存在も世界的に認知されるようになりました。
今年開催されたドバイエキスポ(ドバイ万博)のオープニングを務めた Shreya Ghoshal もボリウッドを代表するプレイバックシンガーの一人。
大好きな歌手で大好きな曲…♡
シュレヤ自身も女優のように美しいばかりか、この人に任せれば成立しない曲はないと思わせるほど、どんな難解な曲も見事に歌い上げてくれます。
ボリウッド音楽と聞くとダンスナンバーが有名ですが、しっとりと哀愁漂う名曲も多くあります。
とくにPritamが手掛ける音楽では“色とりどり”という言葉が似合う、様々なジャンルの曲が魅力的に表現されていますので、鑑賞の際にはぜひ音楽シーン全体に注目して見てみてくださいね。
▶そのほかボリウッド音楽・映画音楽に関する記事はこちら
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!
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