ガールズグループと一言でいっても、そのジャンルや目指す方向性は様々。
ビジュアルに透明感があったり、逆にダーティーさを売りにしていたり、今では音楽性もコンセプトも多種多様になっています。
女性が、
しかも
大人の女性がきっと憧れるだろう
ガールズグループ
を紹介したいと思います。
大人(オバサンともいう)である女性の筆者が思う憧れの女性には、こんな共通点が。
自立していて しっかりとした個性をもち
まわりを傷つけずとも 自分の思いを貫ける
ときには意固地に見えるほど こだわりを大切にして
一芸に秀でていても その努力を怠ることなく
常に自らの力を信じ 前を向いていける人
仕事に家庭に育児に介護……
それぞれをとりまく無数の人間関係……
女性は笑っていた方がいいとか、愛嬌とか、慎ましさとか、そういうものを求められることも多いけど(それが悪いとも嫌だとも思ってないけど)、それを持続していくには、やっぱり何よりも<パワー>が必要。
そんなパワーを信じ、発信し続ける、様々な女性像を見せてくれるガールズ・グループは、まさに女性の憧れそのものだと思います。
グループの選出は独断と偏見ですが、世の女性たちにも何か刺さるものがあれば!
男性から見る「憧れ」との違いがあってもおもしろいかもしれないですね。
1.The Pussycat Dolls(プッシー・キャット・ドールズ)
昨年、電撃の再結成を発表した2000年代を代表するガールズ・パフォーマンス・グループ。
先日、カムバックナンバーの『
見よ、この官能さえも超えた肉体美を!
腰をくねらせても股を全開にしても、全然いやらくない。頭からつま先、しなる髪の一本一本まで、彼女たちのパフォーマンスすべてが一級の芸術品のよう。
プッシー・キャット・ドールズ(以下PCD)は、バーレスク一座のメンバーで構成された音楽グループ。
バーレスク風の官能的なパフォーマンス、パンチのあるサウンドを武器にヒットを飛ばし、2000年代初期から中盤のヒットチャートを沸かせました。
メンバーは、カーミット・バシャー、アシュレイ・ロバーツ、キンバリー・ワイアット、ジェシカ・スッタに、リードボーカルのニコール・シャージンガー、ソプラノ担当のメロディー・トーントンを据えた6人が定着。(今回の再結成にメロディーは不参加)
セクシーすぎるパフォーマンスやニコールのカリスマ性などにも注目がいき、世界的な人気を獲得する一方、メンバー間の軋轢なども噂され、脱退につぐ脱退という形で2010年空中分解のような解散状態に。
そんな終わり方だったので、この再結成はファンならずとも興奮を覚えた人も多いはず。
代表曲は『Don't Cha』『
最大のヒットと見比べても、10年のブランクを微塵も感じさせませんね。むしろ曲の方向性は今の肉体美の方が合ってる気が。
むしろ、たゆまぬ努力と女の意地ともいえるプロ意識にこそ、逆に色気を感じてしまいます。
スパイス・ガールズの再結成が大きな契機となったというPCDの再結成。
過去の不仲説を乗り越えてでも、やはり「このメンバーでパフォーマンスをしたい」という純真な思いが体の奥底に残っていたのだと思います。
ラストでハッピー全開ではしゃぐカーミット、即座に拍手を送ったジェシカ、そして興奮で吼えるキンバリー…。ここまじで胸アツなんですけど。
アシュレイのダンスも好みのままだし、ニコールのカリスマ性も衰え知らず。
酸いも甘いも経験し、大人の女性として余裕をまとわせた圧倒的なパフォーマンス。
そんな彼女たちをこれからも見られるなんて、夢のようです。
2.M.O(エム・オー)
個人的にとくにおすすめしたいガールズ・グループ。
とにかく曲がおしゃれでメンバー全員がゴージャス・ビューティー。でも、どこか親近感のあるセンスあふれるグループなんです。
メンバーはナディン、アニー、フランキー(現在は脱退)の3人体制でスタート。
90年代の音楽をリバイバルさせるというコンセプトのもと、ポップスやR&Bを主軸にパフォーマンスしています。
確かに繊細な音が幾重にも重なる、ゴージャスな曲が多かった90年代。コーラスも多用しながら、メロディとバックサウンドで一つの音楽を構築する手法は、とても聞き心地がいい。
その高い音楽性によって2014年・2016年にはMOBOアワードにノミネートされるなど、一定の評価を得ています。
どちらかというと、爆発的なカリスマグループというより玄人ウケする、アーティスト性の強いグループです。
イギリスのインディーチャートでは4位をマークをしたナンバー。
メンバー全員が作曲を担当していることから、彼女たちの高い音楽性がわかります。
TLCやオール・セインツ、アーリヤ―などの音楽性を目指していることもあり、ブラックよりのダウナー系を好んでるみたい。
2017年にフランキーが脱退し、新たにシャナルが加入。高い音楽性は変わらぬまま、独自路線を貫いています。
個人的にもっと有名になってほしい、素晴らしいグループです。
M.O - Ex At The Party
3.Brown Eyed Girls(ブラウン・アイド・ガールズ)
日本でも『アブラカダブラ』の小生意気ダンスが流行したブアガ。
現在どうなっているかというと…
Brown Eyed Girls - Wonder Woman
期待を裏切らない<独自路線>が強化され、その他のK-popグループと一線を画している印象。
男性ウケなどハナから考えていないようなPVにも自信がみえます。
ドラッグ・クイーンを引き連れ、闊歩する姿はさすが元祖成人アイドル・ブアガというところ。素直にかっこいいな。
曲も最高におしゃれで、歌の冒頭はパーフェクトに近いメロディー。オールドK-popの流れを汲んだテイストにも感動しました。
かといって、雰囲気に任せたアンニュイさだけが彼女たちの魅力ではありません。
ブアガの真の魅力は、そのふれ幅の広さ!
三十路を超えてこの選曲、そしてこのコスチューム。もはや許されるのはブアガだけかもしれない……。
本人たちも割り切ってやっているのが好感度大。もっとやれ。
神秘的なガイン、変幻自在のナルシャ、永遠のリードボーカルジェア、美人ラッパーミリョ。
06年にデビューしてから何も変わらないままメンバー固定しているのもすごい。K-popのガールズ・グループのなかではかなり異例です。
マイペースな活動も功を奏しているので、このままずっと唯一無二を貫いていってほしい!
4.Citizen Queen(シティズン・クイーン)
シティズン・クイーンは、2018年にデビューした女性5人によるアカペラグループ。
メンバーは、ビート・ボクシングのコーラ、ベースのカエディ、コーラスのニーナ、ハンナ、ケイラ。
世界的人気のアカペラグループのペンタトニックスの運営陣がプロデュースにも関わり注目を集めました。
アリアナ・グランデのナンバーをカバー。
アレンジにはペンタトニックスのメンバー、スコット・ホーイングの名前もクレジットされています。
なんといっても、特筆すべきはビート・ボクシング担当のコーラ。
あの華奢な体でよくこんなしっかりしたビート音をぶつけられるな、と素人ながらに感心してしまいます。
さらにはカエディの骨太でクールなベースも小気味よく、この曲の透明感をうまく表現しています。
リードを担当するハンナの声は存在感ばっちりだし(声もアリにちょっと似てる)、ニーナの愛嬌たっぷりながらも冷静なパフォーマンス、ケイラのハスキーで繊細な声もときにエモーショナルで素晴らしいです。
いつもはビートに徹しているコーラがリードを務める、バッド・ガイのカバー。
声質もビリー・アイリッシュに似ているし、彼女のソロを望んだファンもこれには納得でしょう。
そして意外にも彼女の代わりにビートを担当しているのはニーナ!
普段はソプラノ担当なので驚きましたが、パフォーマンスしているときの表情といい、もともと器用なのかも。
そんな意外性やグループとしてのバランスもとれていて、アカペラという素晴らしさはもちろん、ガールズグループとしても最高の逸材です。
…タイプの違う美女揃いっていうのもよき。
ほかにも素晴らしいカバーをいくつも発表しているので要チェック!
5. FAKY(フェイキー)
avex所属のガールズグループ。
2013年デビュー後、世界を視野にいれた高いパフォーマンスで着実に力をつけているパワフルなグループです。
メンバーは、Mikako、Taki、Akina、Lil’Fang、Hina の5人。これまで3人が脱退しており、入れ替えは激しいほう。
ただ、そのレベルの高さや目指す方向性などは一切ブレることなく、一貫して<自立した強い女性>を体現しています。
結成当初は国内よりも海外リスナーの注目を浴びたというのも特徴。
メンバーのうちの何人かがバイリンガルだったり、海外住まいだったのをグループ加入のために来日、というのもワールドワイドなビジョンを打ち出した姿勢で小気味よかった。
avex所属のグループは、総じてレベルが高いと言われパフォーマンスも本格的です。
彼らの努力、忍耐、そして才能が正当に評価される機会が増えればなぁ…と願わずにはいられません。
彼女たちは曲もパンチがあるものが多く、なかでもこの『
EDM、ヒップホップを主軸としながら、流行一色ではない。どこか「捻り」が効いた耳にひっかかるフレーズがあり、そんなところも Faky を贔屓してしまう理由の一つだったりします。
6. Little Mix(リトル・ミックス)
言わずとしれた世界的ガールズグループ。
フィフス・ハーモニーが解散した今、事実上ナンバーワンの人気を誇るグループではないでしょうか。
リトル・ミックスはイギリス版 Xファクター第8シーズンの優勝者。
当初は個人個人でオーディションを受けていたのが、審査員の一計により番組史上初のガールズグループとして審査続行することに。
ジェシー、ジェイド、リー・アン、ペリーが織りなす化学反応はそこで爆発し、優勝後は押しも押されぬ大スターへと成長。
デビュー曲の『
その後もヒットを飛ばし、とうとうプラチナ認定シングルの記録がスパイス・ガールズを超えるという快挙を成し遂げました。
また2017年のブリット・アワードでは『Shout out to my Ex』で念願の最優秀シングルを受賞。
代表曲は数えられないほどで、どの曲もキャッチ―でポップのお手本のようなナンバーである一方、4人の高い歌唱力もあり聞きごたえは満点。
また『Little Me』『Secret Love Song』など、ミディアム・バラードではリスナーの胸を打つような切ない歌唱も披露。
さらに最新アルバム『LM5』では、よりアート性が高くなり、キャッチーさはそのままに、新たな音楽アプローチにも挑戦しています。
彼女たち自身もこれまでのアルバムのなかで一番気に入っているみたい。
かわいくもかっこよく、美しくもがむしゃらさを失わない、まさに「ガールズ・パワー」の体現者であるリトル・ミックス。
今後も活躍が楽しみな4人です。
7. Berryz工房(ベリーズこうぼう)
知らないと損するガールズグループの代表。兼、ハロプロのラスボス。
いや、名前だけは知ってる人が多かったからこそ、楽曲の素晴らしさやメンバーの爆発的個性までは気づかれにくかったのだろうか…。
メンバー意見の一致で2015年活動停止となっているので、新規開拓されにくいのが惜しいグループです。
ベリーズはモーニング娘。や℃-uteとともに、ハロプログループの屋台骨として11年という長い歳月をアイドルとして活動してきました。
メンバーは清水佐紀、ももちでもお馴染みの嗣永桃子、徳永千奈美、須藤芙麻、夏焼雅、熊井友理奈、菅谷理沙子の7人。
ベリーズの特徴は、なんといっても全員が別方向を向いているような「素晴らしきまとまりのなさ」にあります。
ここまでグループとしてコンセプトが揃わないグループがいるものなのか…。(褒めてます)
そしてもう一つの特徴。
それは、統一感のなさそうに見える彼女たちが、長年培ってきたスキルやメンバーシップで魅せる、ラスボス的パフォーマンス。
メンバー全員が思い思いの王国を築いているのに、それがパフォーマンスになると一斉に連合王国になる、という恐怖のような昂揚感。
どんなに難解な曲でも不思議なパフォーマンスでも(ハロの曲は基本どこかにダサさががあり、それがプライド)、なぜかベリーズはベリーズらしさを少しも損なわず完璧にこなしてしまう。
それが、結果として「なんだか分からないけど、これ芸術的じゃない?」と、リスナーに認めさせてしまうのです。
身長も価値観も目指す方向もバラバラな彼女たちが、ベリーズであるときだけに見せる、この刹那的連帯感。
彼女たちはおそらく後世評価される「実力個性派ガールズグループ」になる、と私は思っています。
まとめ
いかがでしょうか。
今回選んだだけでも、グループとしての個性は様々ですし、歌に重きをおいているのかダンスにおいているのか、音楽性としてのジャンルもいろいろだと思います。
けれど、やはり共通点に「自分たちであることの、潜在的な強さ」に誇りをもっているグループを無意識に選んだ気がします。
彼女たちの強さ、そして芸術性は、世の女性たちにもきっと「しなやかな強さ」を与えてくれる。
それを実感しているからこそ、どの時代にも女性支持を得るガールズグループが生まれるのかもしれませんね。