2020年1月30日の横浜から全国ツアーをスタートさせる、日本でもお馴染みのアカペラグループ PENTATONIX(ペンタトニックス)。
今回はそんな彼らの素晴らしさを、あますことなく詰め込んだ
あまり知られていない かくれた曲
を中心にご紹介します。
ヒット曲だけじゃもったいない!
今回の日本ツアーをより深く感じるためにも(リスト外だと思いますが…)、ぜひ知って頂きたい曲ばかりなので、是非聞いてみてくださいね~。
※今回クリスマス・アレンジは除外してます
1.Gold (Kiiara Cover)
1000万再生超えなので知られざる…っていうと「?」ですが、ほかのナンバーと比較するとあまり聞く機会はないかも。
大ヒットしたキアラのカバー。
オリジナルはこれでもか!というほどエレクトロですが、彼らはディープでダウナーなR&Bライクに改変。
一定の緊張感のなか、まったくブレないミッチのボーカル。(ハミングの入りでスコットとカースティンがニヤつくのよき)
アヴィのベースも曲の雰囲気を完璧にコントロールしていて、聞くたびに酔いしれちゃう。スコットとカースティンのコーラスが逆転しているのもお洒落だし、ケヴィンにいたってはもう人間国宝……。
ラストに向けて召されそうな高揚感のなか、無邪気にはしゃぐスコット。自分が目立たない曲でも楽しめる、ピュアな君がぼくらは好きだ…!
これぞペンタトニックス。数多ある彼らのカバーのなかでもとくに好きな1曲です。
2. We Are Ninjas
これ、ほんと聞かないな…。
ティーンネイジャー・ミュータント・タートルズの映画関連でつくられたオリジナルソング。
こういう、いかにも!な<U.Sソング>もバッチリ決めちゃうのもかっこいい!
それぞれの声域がピッタリで、勢いがあるのに安心して聞けるナンバー。ピザピザ…いうのもかわいいです。
これ以外にもペンタトニックスは企画関連の良曲をいくつも発表していて、同系統であれば『ゴーストバスターズ』のテーマ曲も絶品なのでおすすめです。
3. GANGNAM STYLE ( PSY Cover)
こちらはうってかわって、荒削りともいえる爆発力が魅力の1曲。
ご存知韓国の国民的アーティストPSY(サイ)の大ヒットソング『ガンナム・スタイル』のカバー。シング・オフ優勝後すぐのころですね。
スコットのボーカルってほんっっと、すごい…。
彼がメロディーラインに立ったとき、全員の声が彼にむかって一直線にまとまるのが快感。シング・オフの審査員に<モンスター>や<スーパーヒーロー>と言われていたのも納得です。
ちなみにラストの紹介パートはおふざけで信じられないほどNGだしまくってました。これも、ペンタトニックス。
同系統であればマックル・モア&ライアン・ルイス共作の『Thrift Shop』カバーもおすすめ。
4. Sesame Street: Pentatonix Counts (& Sings) to Five
セサミ・ストリートにゲスト出演。
1~5の数を優しい単語で歌いながら教えています。
アメリカを代表する国民的番組だけに、これまで出演したアーティストはビヨンセ、ブルーノ・マーズ、ワン・ダイレクション、時にはミシェル・オバマ(!)など、大物ばかり。
そんな由緒ある番組にこんな速攻で出られる人いたかしら…でもうってつけの人選には納得。とにかくすごいことです。
ワン!(キラキラ~)な言い方が癖になる(笑)
こうやってすぐに子ども番組に切り替えられる器用さもペンタトニックスのすごいところ。カースティンはこのまま歌のお姉さんやれそうですね。
お気に入りはスコットとカースティンの②のパート。皆さんはどの数がお気にいり?
5. Pentatonix Sings The Tonight Show Open
アメリカの人気テレビ番組のオープニングをアレンジして、自ら登場。
なんだこのアメリカン・ドリーム……こちらも、すごい。
相変わらずスコットの舵裁きが絶妙すぎてニヤニヤ。こんなに冷静に歌える人なかなかいないと思う。
コーラスから Eh Eh Eh~でギアチェンジするのイケメンすぎます。フェイクしてるときは4人を信頼して遊んでるようにも聞こえるし、ほんといいグループです。
ほかにカントリー・ミュージック・アワードのプレゼンターとして披露したオーク・リッジ・ボーイズの『エルヴァイラ』も絶品。
6. Dancing On My Own (Robyn Cover)
ベース担当のアヴィが脱退してからはじめてのカバー曲。ベースラインはケヴィンの相棒であるチェロの“ビヨンセ”が担当しています。
もの悲しくも清々しいアレンジ。そして歌詞の意味もあいまって、ファンにとってはなかなかに印象深い1曲。
特筆したいのはカースティンの超・安定した高音パート!
あんまり触れられないのですが、カースティンは高音パートをいくつかの歌い方でシフトしているような気がします。
絞りだすような歌唱もあれば、スカっと抜けていくようなときもあり、キャラ声のようにチャーミングさでこなすこともある。
ですが、この曲ではそのどれでもなく、とてもプレーンな歌い方をしているんです。
このしっかりした高音があることで、三和音に強力な芯ができ、ミディアムバラードのこの曲にも、凛としたパワーが表現されていると思います。
言葉を選ばずに言うのであれば、アヴィの脱退でファンを離れた方も多いかと思います(人気メンバーだったので…)
ですが、だからこそこの4人のパフォーマンスを聞いて、ずっと応援しようと心に決めた方も多いんじゃないかな。
彼らのアカペラには痛みや熱、光がある。
単純に「声が綺麗」「ハーモニーが素敵」では済ませられない、アーティスティックな一面が宿っているのです。
大サビ前の、三者三様でありながら光に一直線へ伸びるかのようなハーモニー。今でも胸を打たれます。
7. New Rules x Are You That Somebody?
Havanaじゃないの?って声が聞こえてきそうですが…。個人的にはこれめっちゃ好き。
新メンバーとなったマットがベースを担当。「え…ベースって誰でもできんの?」と愚かな勘違いをしそうなほど、最初からパーフェクトなパフォーマンスです。
大ヒットソングの Dua Lipa の New Rules とアリーヤの Are You That Somebody をマッシュアップ。
こう聞くと、マッシュアップのほとんどがアリーヤで、むしろアリーヤをバックトラックにサンプリングし、デュア・リパをのせたというのが適当なところでしょうか。
彼らはポップ、エレクトロ、R&B、そしてオールド・ブラックミュージックあたりも得意とするところなので、このアレンジには納得。
アリーヤという若き才能を偲ぶきっかけにもなるし、とても乙なアカペラナンバーなのです。
8. Evolution of Rihanna
エヴォリューション・シリーズではこれが最高峰なのでは。
マットのピッチが正確すぎて鳥肌…。全員の曲への集中力もモンスター級(褒めてます)。かなり長いメドレーなのに、最後までまったく飽きさせません。
個人的な見解としては、ここらへんからペンタトニックスは成熟期とでもいいますか、かなりアレンジが洗練されてくる印象があります。
<アカペラ界のホープ>から、自分たちの音楽とじっくり向き合う中堅のようなどっしりとしたオーラさえ感じます。
さらに言えば、このカバーはみんなコンディションが良さそう!
アカペラってもろに体調が表にでるパフォーマンスだと思うので(文字通り体が楽器ですもんね)、ショービジネスに消費され続けるだけでなく、こういうゆったりとした音楽との向き合い方も素敵。
にやつくポイントは4:29~のトリオの「a・a・ a」の体の揺れが自然にそろってしまうところです。姉妹か!!
それにしても全編とおしてカースティンの声が素敵すぎて苦しい……!!
9. Come Along
洗練。洗練の極み。
こんな死角なしのグループがあってたまるか、このやろー!!!
日本でもオリジナルがCMソングだったので、聞き馴染みもあるかと思います。Cosmo Sheldrake の Come Along をカバー。
オリジナルは壮大なオーケストラパート。それを5人のアカペラでこの表現って…もう感動というより末恐ろしい気さえする。
マット&ケヴィンのビート隊、何と変幻自在なことか!目まぐるしく斬新な曲展開から新たなポップへ昇華している手腕はもう神業です。
そしてこの手の曲のミッチはとてつもなく神々しい…。ラストのクラシカルパートも絶品で、入りなんて美しすぎて何度聞いても涙がでます。
いかがでしたか?
ほかにも公式であがっていない参加型の楽曲や、シング・オフ時代の楽曲、クリスマスなどのホリディ・ソングなど、彼らの素晴らしい曲はたくさん!
各授賞式にてプレゼンターとしてパフォーマンスすることもあり、そちらも要チェックですよ!
彼らの行き着く先に、アカペラはどうなってしまうのか…
楽しみなような恐ろしいような気さえしますが、いつも音楽を<楽しんで>いる彼らを信じて、これからもずっと応援していきたいと思います!
是非みなさんも、この来日を機に彼らの熱あるアカペラに触れてみてくださいね!