年に一回はこの人たちのこと書いてます。
ハロウィーン前の10月に「Merry Christmas!」と言ってくる奇行も、もはや恒例行事の域となり(笑)、
なんと2021年10月29日には実質7枚目となるクリスマスアルバムをリリース。
2011年にデビューしてから毎年何かしらのクリスマスアルバム出してる気がする…。ここまでくると狂気を感じますね(褒めてる)。
たぶん彼らは全世界のクリスマスソングを歌い尽くさなきゃいけない呪いにかかってるんだ…うんきっとそうに違いない…。
そんな多少サイコなアナウンスさえ愛しく感じるほど彼らが大好きな筆者ですが、今回は音楽面というより、音楽で分かる彼らの別の魅力について書いていきたいと思います。
アカペラという一つの演奏形態を超え、なぜこんなに彼らに惹かれるのか。自分なりに考察してみました。
久しぶりの語り回&ボリューム多めなので、いつも以上にお時間があるときに、そして興味のない方はスルーしてくださいませね♡
メッセージ性をもったアカペラグループ
左からベースのマット、テノール(中音域)のミッチ、バリトン(低音域)のスコット、メゾソプラノ(高音域)のカースティン、ビートボクサーのケヴィン。
私がこれまでアカペラ音楽で得られた感動というものは、音の美しさやアレンジの複雑さ、そしてその音がまるでその場の空間を舞っているというような、まさに音にまつわる感動がほとんどでした。
PENTATONIXも初期の頃はそうだったのですが(もちろんキャラが立っていたり、アレンジが斬新なところは新鮮だったけど)、『ハレルヤ』あたりからどうも私のなかで「感動の種類」に変化が生まれてきたのです。
♬ Hallelujah
この曲は私のなかでPENTATONIXの転換期にあたる曲。
もちろん壮大で感動的な曲なのは言うまでもありませんが、何より私は
“Hallelujah”という歌詞を、言霊のように重く厚く、そして何かに刻みこむように重ねる歌い方
を聞いて、彼らの持つ独自のアーティスト性を感じるようになりました。
めんどくさい言い方になりますが、これは歌い方という「表現方法」に胸打たれたわけで、リピートして声を重ねるという「アレンジ」に胸を打たれたわけではないです。
この歌を聞いて「あ…これは本当にこれまでのアカペラと一線を画するグループだ」と思いました。
最近では『I Just Call To Say I Love You』を聞いて同じことを感じています。
♬ I Just Call To Say I Love You
「ただ愛してると伝えたい」ということに強くフォーカスされたアレンジ。
大サビでメンバー全員の “I Just Call To Say I Love You ”が四方八方へ、けれどそれぞれがまっすぐに飛び立ち、
PVのように、世界中たくさんの『I Just Call To Say I Love You』を可視化していきながら、それらを包み込むように歌われます。
未だオンラインを使用した映像からも(現地のリアルな現状は分からないですが)、PENTATONIXが寄り添いたい人たちの様子はしっかりと伝わってきて、この歌い方だからこそより胸に迫るものがあるなぁと感じています。
アカペラグループでありながら、こんなにも“パッション”で訴えてくるグループは極めて稀なように思うのです。
全員がソロアーティスト級の表現力
PENTATONIXの歌声はシンプルに受けとめることも、そしてそれ以上に複雑な感情で捉えることもできます。
アカペラという演奏形態においてこんなにも広い表現の幅をもたせるには、歌唱力とは別の、メンバー全員におけるパーソナルな表現力によるものが大きいのではないかと思います。
♬ Home
このブログでは何度か書いているのですが、そもそも全員がソロアーティスト向きの声質、つまり「目立つ声」の持ち主なんですよね。
乱暴に言ってしまうと、声だけで見たらユニットに近いグループ。
とくにトリオのスコット・ミッチ・カースティンは普通だったら同じグループにいるのが想像できない。声が立ちすぎていて、同じグループだともったいないように思えちゃうんですよね。
こちらの動画で分かるように、ベースのマット(冒頭)やビートボックスのケヴィン(ラスト)の歌唱力も高いです。
ケヴィンは地声が高いので、ハーモニーになると高音パートになります♬
逆にこれは、アカペラとなると個人の声の「悪目立ち」になってしまう恐れもあるはずですが、
彼らはこの問題を信じられない技術力と互いへの信頼で無かったことにしているのが凄い(笑)。
実際よーく聞いてみると、メインを歌うときとコーラスを歌うときでは、全員が予想以上の強弱をつけていますし、発声や発音、声の揺らし方にいたる細かいところまで変化をつけているのが分かります。
例えば中音パートのミッチですが、ハーモニーの構造上、中間音はかすかに聞こえるぐらいがちょうどよく、メインからサビのコーラスへシフトするときにはかなり音量を抑えています。
サビで音量を落とすというのは慣れるまでストレスがかかりそうですが、逆にこれはメンバーのなかで最も技術力のあるミッチの歌の聞かせどころでもあるんです。
さらにカースティンがメインパートとなるときはミッチが高音担当に変わるので、その際は強めに音を響かせなければならないという、かなり忙しい役どころ。ミッチの技術力は本当に凄いのです。
声を合わせることではなく声を重ねた合唱/アカペラというのは、私が理想と思う歌の在り方の一つ。
これができるからこそ、アカペラの演奏形態で彼らのような熱く繊細な表現が実現できるのだと考えています。
オリジナルソングで見えること
これまでのアカペラグループはオリジナルを歌うことを避けていた傾向にありました。なぜなら世間がそれをあまり望まなかったからです。
アカペラはカバーソングこそが至高であって、オリジナルをより美しく、より豪華に、より違った角度でアレンジしていくことをリスナーは望んでいたように思います。
それこそ彼らが創る「音」に興味があって、メンバー自身の音楽的思考にはさほど興味がなかったとも言えるかもしれません。
そんな現状にNOを突き付けたことも、私にとってPENTATONIXが特別な存在になった理由の一つでした。
♬ That's Christmas To Me
初のクリスマスアルバムに収録されたオリジナルクリスマスソング(作曲は Katy Lou Clark and Penny Lea Clark)。
聞いてみたら思いのほか素朴で、ずいぶん温かみのある曲になるんだなぁと驚いたものです。
ここでもし、当時注目されていた電子音バリバリのオリジナルを出していたら、私はここまで彼らにのめりこまなかったかもしれません(電子音がダメとかそういうことではなく)。
彼らの好む世界観や音楽で目指したいものが見えた気がして、とても印象深かった。
彼らの思う「音楽に対して信じていること」が自分の好みに近いような気がして、一気に彼らのことが知りたくなったんですよね。
月並みな言葉ですが親近感を感じたのでした。
最近ではこの曲の歌詞にも親近感が湧いて「やっぱ好きやねん♡」状態。
♬ Love Me When I Don't
“When I’m too hard on myself I don’t ask for help”
この歌詞の慎ましさ、カースティンが作詞したよね?(笑)と思っていたらやっぱりそうでした♡
音で遊ぶという変わらない姿
最後はやっぱりこれ。
ずっと音楽で遊んでる姿が変わらないのも、彼らの大きな魅力の一つ。
こちらの動画は、10分以内に次々と出される100曲の音楽を即座に口ずさむという、瞬発力を試すちょっとした音楽ゲーム。
PENTATONIXの関係性や音楽遊びがよく分かるのでおススメです。見てるだけで元気になる~
♬ PENTATONIX Tries To Sing 100 Songs in Ten Minute Challenge
見どころはレベル高いスコットの暴走(6割スルーされる)とミッチの玄人すぎる音の掴み方、カースティンの女神のような協調性、ケヴィンの神業の対応力、マットの常にニコニコのサポート力♡
というか元少女時代のティファニーが55曲だったところ、95曲達成ってどれだけ遊びに本気なのか……好きだ!
それにしても未だにカースティンとミッチが双子に見える私は病気デスカ…かわいー。
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!
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