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デジタルソウルの衝撃! アナログでもデジタルでも Jacob Banks (ジェイコブ・バンクス)の歌声にはノー・プロブレム!

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まずは「デジタル」と「ソウル」って混在していいの?ってこと 

 

いきなり疑問形で失礼します。よあけのアラームです。

今回はあまり聞き慣れないデジタルソウルというジャンルの Jacob Banks (ジェイコブ・バンクス)をご紹介していきたいと思います。

 

デジタルでソウル?……ナンデスカソレハ。

そう思うのも当然と言えば当然のことですよね。

私たちが思う「デジタル」って、音楽ではシンセサイザーやコンピューターを使ったEDM・トロピカルハウス・テクノ的なものが一般的(…ですよね?)。
一方、「ソウル」っていうジャンルは言葉があらわすように「魂」そのもの。音楽に加工はせず、リアルな「ライブ感」を大切にする音楽というイメージです。
歴史的にも、ソウル全盛の50~70年代の風潮を覆すように、80年代にはマーケティングを意識した電子サウンドを駆使したロックやポップスが時代を牽引していきました。

この二つ、だいぶ距離感のある言葉ですよね。

それがこの曲を聞いて、一気に視界がオープンに!! 
 


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いやー、まごうことなきソウル。そして確かにデジタル(笑)。
エモーショナルだけど、どこかクールで冷静な彼の声質だから、バックミュージックのデジタル音にうまく融合できるのでしょうか?

衝撃で目が、いや耳が点、です。オーティス・レディングを彷彿とさせる力強いソウルフルな歌声とデジタルサウンドが彼の音楽最大の特徴なのです。

 

デジタル・ソウルと彼の声にあの大物歌手も注目

 

Jacob Banks(ジェイコブ・バンクス)はイギリスバーミンガム出身のシンガーソングライター。生まれはナイジェリアです。

2013年にファーストアルバム『The Monologue 』をリリース。
そこからシングルリリースされた『Worthy』はイギリスの人気ラジオ番組BBC Radio 1で放送されます。また同年には、イギリスの大物歌手エミリー・サンデーのUKツアーに帯同するなど、早くから音楽界で注目される存在に。

またイギリスのエレクトロミュージックデュオであるチェイス&ステイタスの楽曲「Alive」に参加するなど活動の幅を広げます。


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これまでアルバムを4枚リリースしており、着実に人気と実力をつけている若手ソウルシンガーです。

 

物凄いことする人の言葉はシンプル

 

ジェイコブは歌うインスピレーションについて「曲があってそれを歌うということに過ぎない」と答えています。

これだけのことしといてそりゃないでしょーよ、と思う一方で、そうなのかもなぁと納得してしまう答えで笑ってしまいました。

ソウルシンガーって自身の「ソウル」の部分を言葉で答えてしまったら意味がない。それが出来るなら別の表現者になっていると思うし。だから彼のこの言葉も筋が通っているな、と。そんなシンプルさも彼の魅力かもしれません。

 


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その人が歌うから「ソウル」になる

 

何がソウルなのか、どんな歌い方がソウルとされるのか。
一概にこうとは言えないけれど、綺麗に歌わなくても美しく聞こえたり、叫んでいるのに泣いているように聞こえたりする音楽を、私は「ソウル」かな、と勝手に思っています。
それはきっとアーティストの内面性をむき出しにしないと出来ないことで、ほかのジャンルとは少し音楽へのアプローチが異なっているような気もします。

これは個人的な見解ですが、本来、音楽には「メッセージ」という伝えたいものが大前提にあり、アーティストたちはそれを伝えるために音楽で表現をします。
ただ、ソウルミュージックと言われる音楽には、そのメッセージをも消化して呑み込んでしまう「圧倒的な個性」があるのかなぁと。
 
圧倒する歌唱というのはそのメッセージに共感するなんて暇はなくて、そのアーティストの発するものを感じることで精一杯。
そしてその「発するもの」のなかに曲のメッセージというのは必ず存在していて、私たちは知らないうちにその思いを吸収して感動するのだと思います。

これが、ソウルミュージックを聞いていて「よく分からない涙」を流したり「整理できない感情」が生まれてきたりする理由なんじゃないかな、なんて思ったり。
 


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大ヒットソングのカバー。
この曲はたくさんの人がカバーをしてきたけれど、胸に突き刺さった…!と思ったのは、やっぱりこのソウル歌唱だった…。

ちょっと末恐ろしささえ感じる素晴らしいパフォーマンスですよね。

 

いかがでしたでしょうか。

“デジタル”と“ソウル”という、一見すると正反対に見える性質を自然に融合させ、新たな音楽の魅力を創りだそうとしているジェイコブ・バンクス。

これからも定期的に追っていきたいと思います。