桜も散り、いよいよ大型連休が近づいてまいりました…。
皆さんは素敵なご予定があるんでしょうか?
私はとくにありませんので、通常通り音楽探しの旅へとフライトする予定です…。時間もお金もかからないし、体力温存できるし、めっちゃ自由行動だし、ああー最高だなぁぁああーー(泣)
こんにちは。本当はマカオに行きたい、よあけのアラームです。
今回は、そんなわたしを民族音楽の旅の出発点にいざなったバンド、Clannad (クラナド)を聞きながら、ふと思ったことをつらつら書いていきます。
オフィシャル・トレイラー
アイリッシュバンドが歌う イギリスとアイルランドの軋轢と希望
クラナドはアイリッシユバンドの大御所。
日本ではエンヤの家族として紹介されることが多いです(ボーカルはエンヤの実姉)。
この曲はイギリスで放送されたドラマ『ハリーズゲーム』の主題歌で曲名もそのタイトルを冠しています。
ドラマの舞台はイギリスとアイルランド両国の軋轢を描いたBBC制作のシリアスな刑事もの。その主題歌にアイルランド出身のクラナドが起用されるというのは当時画期的な試みで、この話題もあいまってドラマとともにクラナドの名前も世界中に注目されるようになりました。
幻想的な世界観が曲とうまく融合していて聞きやすいですね。
1982年制作のドラマですが、今聞いても何かのゲームのテーマ曲かなっていうぐらい古さを感じさせない。
特筆すべきは、ボーカルモイアの声。
透明感もありながら少し土っぽさもあり、さながら土地の守り神のようです。少しかすれる部分もあって人間の官能的な部分も失わず、より美しい響きとなっています。
話はそれますが、音楽と歴史は両者直結しているぐらい密接な関係があります。
イギリス/アイルランド関係、アメリカの黒人差別や銃社会、米ソ冷戦期…。
その時代その時代の雰囲気や人々が思い叫びたかったこと、逆に秘めておきたかったこと。それらを、音楽は音や声で如実にあらわしていきます。
後世こうやってわたしたちがその時代の音楽を聞くことで、少しでもその時代を生きた人の思いをくみ取れる。ちょっとしたタイムスリップができる。
それってとても意義のある、素敵なことだと思います。
すべての曲に自然美が宿る アイルランド音楽の美しさ
クラナドに限らず、アイルランド音楽には土地の自然美を彷彿とさせるサウンドが多くあります。
現代的解釈を加えたこの音楽に流れる、どこか硬くて少しもの悲しい雰囲気。
そのベースにあるのは前述したこの国の歴史であり、それを見守ってきた冷たくも美しい雄大な自然美です。
荒涼とした大地を吹き抜ける海風に、淡く色づいた木々の緑。
決して優しいとは言えない自然とともに、素朴でありながら芯のある生き方を選んできたアイルランドという国の「香り」。それを感じとるのもクラナドの音楽を聞くときの一つの楽しみなんです。
また、アイルランドの国民的バンドU2のボノとも親交があります。
個人的なイメージですが、こちら英国圏のアーティストにあまり交流の境界はないのかなって感じます。
バリバリのロックバンドのツェッペリンもイギリスのトラディショナルフォークバンドのサンディ・デニーと共演したりしているので、ジャンル違いのコラボというのはイギリスやアイルランドでは目新しいことでもないようです。つきつめれば、彼らの音楽自体が一つのアイデンティティーにたどりつくという意味合いもあるのかも。
なんにせよ、好奇心旺盛で貪欲な姿勢はいいな、と感じます。
この独特なアイルランドのこの堅さ、病みつきになるかもしれません。クラナドは名作を何枚も作っているので気になった方は是非聞いてみてください。
さて、今回はこのへんで!
アイリッシュバンドは歴史的にも音楽的にも貴重な存在なので、またの機会に深く書いてみようと思います。