久しぶりに反応に困るバンドのご紹介です。
好き嫌い分かれるかと思いますが、賛否両論のアーティストに出会うことも音楽好きの醍醐味。こういうバンドを聞くたびウキウキしちゃう自分もいます。
ということで、今回は現在ロシアで大人気のレイヴバンド、LittleBig(リトルビッグ)について簡単におブログしていきたいと思います。
快感と不快感の狭間をつく音楽
リトル・ビッグはすでに1億再生超えの曲を何度も出しているロシアの人気バンド。
彼らのサウンドは快感とも不快感とも言えない非常にニッチな感覚を刺激してきます。誤解してほしくはないのですが、これはまごうことなき褒め言葉。
まずはPVをご覧ください。
これを見た私の第一声。
「何をしてんのよ……(フウ…)」
しかしそう呟いた顔は笑いを隠せていなかったのでした(笑)。
冒頭のイカサマ合図のウィンク。これが超絶下手くそで、バンドのやりたいことを察知してしまい不覚にも笑う。
バックで戻るあのユルさもなぜか癖になってしまい、とうとうラストは「全員で退出すんのかよ!」というツッコミとともに、頭をかかえながら爆笑してしまったのでした。
ここまで迷いなくステレオタイプ的バカバカしさを見させられる(聞かされる)と、人は感動に似た感情さえ抱くようです。
なんと今年開催予定だったユーロビジョン2020にもロシア代表として選出。
残念ながらコロナの影響でコンテスト自体は中止でしたが、2時間の特番がヨーロッパで放送されたようなので、この独特なオーラも無事ヨーロッパ大陸に伝播したのではないでしょうか。
これは持論ですが人間がもつ快感と不快感の狭間を巧妙につく感じが、サウンド、ダンス、ビジュアルと共にウケているのかもしれません。
メンバーと略歴
バンドは2013年にサンクトペテルブルク出身のメンバーで結成。これまでに4枚のアルバムをリリースしています。
メンバーは
バンド初期はかなりレイヴ感が強い印象を受けますが、現在はキャッチーで愛嬌(と言っていいのか…)のあるサウンドが増えてきました。PVもカラフルで視覚に訴える作品に変化しています。
影響を受けたグループは様々で、レッチリ、プロディジー、カンニバル・コープスなどをあげています。
バンドは自身のレーベル“リトル・ビッグ・ファミリー”を創設しており、ほかに The Hatters、Tatarka(イリヤの元奥様) などが所属しています。
ちなみにイリヤは超絶男前と思われ。ひげ剃って前髪つくったらかなりのイケメンになりそうです。
ライブもすごい盛り上がり。動員数もすごそう…
ヒット曲
2018年リリース。なんと現在、脅威の再生回数4億超えです…!
この伝播ダンスで一気に人気を確立したようで、ロシア国内でも「SKIBIDIダンスチャレンジ」が流行。なぜかPVの最後にはゴジラも踊り出します。
意外にあなどれない“ロマンティックバージョン”も。
2020年8月にリリース。ロシアチャート1位獲得。
ユーロビジョン選出を受けて知名度も一気に増え満を持してのナンバーワンでしょうか。
それにしても冒頭の【プロモーションを含みます】の破壊力よ…。ここまで全力でプロもってるミュージシャンも見たことない。
ふと垣間見せる哀愁が愛しい
非常に激しいネタ曲(下ネタ系は本領発揮しまくってる)だったりミーム要素満載だったりと、何かとお遊び感覚が激しい印象をもつグループですが、その中でも時折ぐっとくる世界観を見せにきたりもします。
ロシアのアイデンティティー(?)でもある酒をテーマに、酔ってる人の常套句「大丈夫、酔ってないよ」を連呼しながら、どんどん酒をあおってどんどんやらかしていきます。
私はどうも「人間のかわいげのある弱さ」っていうものに胸打たれやすいようで、この音楽にはちょっとした哀愁を感じてしまいました。
PVで彼らが演じている人間も一見するとどうしようもない感じですが、わざわざそこに焦点をあてて1曲作ってしまうところに、何だかこのバンドの人間味を感じます。
信じられるか?これで動物保護を訴えるPVなんだぜ…
最後の「Save the Pets」の文字があらわれたとき思わず「そっちかよ!」とつっこんじゃった。本編中もそのベクトルで進んでなかったし、完全に不意打ちでした(笑)
きっと(色んな意味で)こういう人たちなんでしょう…
おそらく今後もロシアチャートやヨーロッパチャートをザワつかせそうなので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!