みなさんはカバーソングって聞きますか?
最近はカバーソングで注目されてデビューを飾るアーティストもめずらしくなくなりましたよね。
「そんなこといってもオリジナルが一番」
というご意見もあるかと思いますが、どっちが良いとか優れているとかではなく、オリジナルとはまた違った魅力で、その曲の新しい表情を見せてくれるカバーソングが私は好きだったりします。(そもそも芸術に優劣はないし)
今回は王道からちょっと変わった試みのアレンジまで個性に富んだ素敵なカバー曲をご紹介したいと思います。
- 1. PostmodernJukebox ポストモダンジュークボックス-Oops!... I Did It Again (Britney Spears cover)
- 2. Rainych レイニッチ - SAY SO ( Doja Cat cover)
- 3. The Big Push ザ・ビッグプッシュ-My Generation (The Who cover)
- 4. Hildegard von Blingin' ヒルデガルド・フォン・ブリンギン - Bad Romance( Lady Gaga Cover)
- 5. Pentatonix ペンタトニックス - Blinding Lights (The Weekend cover)
- 6. Peter Hollens ピーター・ホーレンス- Be Prepared (Lion King cover)
- 7. Halocene ハロシーン-Señorita (Shawn Mendes, Camila Cabello cover)
- 8. Little Mix Male Version -Power (Little Mix cover)
- 9. Jamie Cullum ジェイミー・カラム - Uptoun Funk(Bruno Mars,Mark Ronson cover)
- 10. Walk off the Earth-ウォーク・オフ・ジ・アース-Old Town Road (Lil Nas X, Billy Ray Cyrus Cover)
- 番外編
1. PostmodernJukebox ポストモダンジュークボックス-Oops!... I Did It Again (Britney Spears cover)
カバーチャンネルのなかでも筆頭にくる大人気バンドポストモダンジュークボックス。彼らにかかればどんな最新ヒットソングやテクノソングもレトロにヴィンテージ化されてしまいます。
ピアノ担当のスコット・ブラッドリー(Scott Bradlee)が率いる音楽集団でアルバムもリリースされています。演者はゲスト制でたくさんのアーティストが参加しているのでそのチェックも毎回の楽しみの一つ。(さらっとすごいブロードウェイキャストがボーカルをとっていたりします)
ほかにレディ・ガガやメーガン・トレーナー、パニック・アット・ディスコなどなど、とにかく膨大な曲をカバーしています。
彼らの音楽をプレイリストで流しっぱなしにしておけば、まるで高級クラブやサロンにいるかのような気分が味わえて普段聞きにもオススメです。
2. Rainych レイニッチ - SAY SO ( Doja Cat cover)
自粛期間中に人気が爆発したカバーチャンネルの一つ。
オリジナルのドジャ・キャット自身が大絶賛したところから人気に火がつき、これだけで1800万再生を超えるビッグヒットです。
どんどんボーダーレスに近づいているようで素直に嬉しくなったカバーです。彼女の声がこの曲に超フィットしているのもすごい。
他に米津玄師やザ・ウィークエンド(こちらも本人が絶賛!)、各アニメソングなど幅広くカバー中。
日本語は話せないけれど、言葉の響きに興味をもってくれたようで日本語のカバーで活動しているそうです。(すごい…)
3. The Big Push ザ・ビッグプッシュ-My Generation (The Who cover)
個人的に今イギリスで一番キテいるロックバンド。
このサウンドとスタイルにビビっときた方はぜひチェックするのをおススメします。60~70年代ロック好きにはたまらない音を奏でてくれる、めちゃくちゃ有望株バンドです。
詳しくはこちらで。
とくにメインの三人はボーカルとれるし(しかも上手い)ギター&ベースできるし(しかも上手い)で、最高にイカしてます。
ストリートをメインに活動していて、そのたびにジャムセッションを楽しんでいる姿が印象的。(ストリートでこれだけのレベルを聞けるなんて…。イギリス、夢のようです)
ファーストアルバムもリリースされ、オリジナルも好調。カバーバンドではないのですが、ほかにも多くのカバー曲を演奏しているので是非ご覧ください!
4. Hildegard von Blingin' ヒルデガルド・フォン・ブリンギン - Bad Romance( Lady Gaga Cover)
バードコア(中世風カバー)でお送りするバッドロマンス。
トラッドフォークの大御所ペンタングルが頭をよぎるほど、なかなか本格的な雰囲気を醸し出しています。
ほかにも中世スタイルで楽曲をカバーするグループはいるのですが、このバンドは選曲がお見事で、中でも頭一つ抜けている印象。
2020年と中世の厄災に共通点を見出して、バードコアへの意識が高まってきているという見方もあり、今後もミーム以上の広がりを見せそうなジャンルの一つです。
同バンドではほかに「
5. Pentatonix ペンタトニックス - Blinding Lights (The Weekend cover)
説明不要のアカペラ革命集団。
彼らの登場で、さらにカバーソングの認知度・自由度が高まったと私は思っています。
アレンジ力がずば抜けているので、ついついその豪華さや予想を裏切る曲展開に注目しがちですが、彼らの一番すごいところは声だけで様々な音を表現できる(またはそう聞こえさせる)オリジナルの「再現力」にあります。
この曲は、数ある素晴らしい彼らのカバーソングのなかでも「再現率」に長けた1曲。オリジナルの雰囲気を寸分もたがわず再現し、5人の声だけで表現するというスーパーベーシックで、スーパー難しいことをこなしています。
実は彼らの声質はものの見事にバラバラです。
エッジがきいていたり、丸みを帯びていたり、奥行きがある響きだったり…いわゆる全員がソロアーティストのような声なんです(その証拠に全員の声を容易に聞き分けられると思います)。
けれど、これがどういうことか歌った途端、ピッチうんぬんでは説明できない統一感、そしてそれ以上のキラメキを起こしてしまうのが超人的なところ。
まさに近未来アカペラの体現者です。
6. Peter Hollens ピーター・ホーレンス- Be Prepared (Lion King cover)
膨大な数のディズニーカバーからこれを選ぶ私って何か欠陥があるんだろうか…
カバー/アカペラチャンネルの先駆者の一人、ピーター・ホーレンスのディズニーヴィランシリーズより、なぜかヴィランのなかでも異様な人気を誇るスカー様のロマンティックソング(笑)です。リクエストでも多かったみたいですね。
とにかくピーターの酔い加減がオリジナルにフィットしすぎてて、聞いてるこっちも盛大に酔ってしまいます。
彼はディズニー以外にも膨大な曲をカバーしていますし、そのどれもがとても満足度の高い素晴らしいパフォーマンスです。
ほかのアカペラグループともよくフューチャリングしていますので、是非SNSなどでチェックしてみてください。
7. Halocene ハロシーン-Señorita (Shawn Mendes, Camila Cabello cover)
twitchライブで人気を得ているアメリカ発女性ボーカルロックバンドのハロシーン。
オリジナルも好きなのですが、彼らのカバーソングも膨大でなかなか聞きごたえがあります。
とくにこの曲はボーカルアディーの声の変化もおもしろくてオススメ。地声はコケティッシュですが、だんだんとバックアレンジがロックテイストになっていくなかで王道の女性ロック声に変化し、そのコントラストが楽しめます。
加えて、こうやって聞くと原曲はかなりロックを意識したコード展開なんだな~と勉強にもなります。
パラノアなどが好きな方にオススメ。オリジナルもとてもいい曲があるので是非一度聞いてみてくださいませ。
8. Little Mix Male Version -Power (Little Mix cover)
少し趣向を変えて。リトル・ミックスの男声バージョンです。
歌っている方はおそらく一般の方で、サムネとは別人とのこと。(そりゃこの出で立ちの4人が奇跡的にグループ組んでたら既にデビューしてるわ…)
これまでに何曲もリトル・ミックスの曲をカバーしているので間違いなく筋金入りのミキサーでしょう(笑)。歌い方も各自の癖を把握していて、ほんとに天晴れです。
顔出ししてないのも逆に好感が。
だからこそバックグラウンドに興味が湧くというか…ガテン系のオジサマだったりドラァグクイーンだったり、めちゃくちゃインテリ青年だったりしたら何か嬉しくなっちゃうな、と。
ガールズパワーを売りにしてるリトル・ミックスですが、幅広いリスナーに支持されているのがわかる素敵なカバーソングです。
オリジナルはこちら。聞き比べてみるとおもしろい。
9. Jamie Cullum ジェイミー・カラム - Uptoun Funk(Bruno Mars,Mark Ronson cover)
ジャズシンガーのジェイミー・カラムはソング・ソサイエティという自身の音楽企画で各ヒットソングをジャジーにプレイしています。
そのなかでもこちらはお気に入りの1曲。
あの世界中に名を轟かせた超絶ファンクな1曲をどうやってジャズにするのかと思えば、さすがはジェイミー。
ビートとベースを作ったら新しい「Uptoun Funk」の出来上あがり。改めて1曲のもつ可能性を多岐に発見できる彼の音楽的視点には驚かされます(それでいて小難しくなく聞きやすい)。
間奏部分は思いきりジャズに振り切っているのも、聞きごたえがあっていいです。
ほかにリアーナの「Don't Stop the Music」のカバーも有名。
10. Walk off the Earth-ウォーク・オフ・ジ・アース-Old Town Road (Lil Nas X, Billy Ray Cyrus Cover)
相変わらず忙しい……!
「Somebody that I used to know」のカバーで、一本のギターを5人でプレイする奇抜なスタイルが注目を浴びた
残念ながら創設者のマイク・ティラーさんはお亡くなりになってしまいましたが、彼らの創作意欲はまったく衰えずコンスタントに新曲をアップし続けています。
メンバー全員が楽器を多彩に操るマルチプレイヤーであり、全員のボーカルもパーフェクトというカナダの超人集団。当然だけど一発撮りだしな…(白目)。
それに加えカバーアレンジの才能もずば抜けていて、とくにこの「Old Town Road 」は彼らにしかできないユニークなアレンジで世界観をガラっと変えてきています。
初めて聞いたときは、曲の見方(聞き方)が180度変わるような衝撃があり、このいい意味で閉鎖的な音楽観にとにかく驚きました。
そうかと思えば間奏部分のジャンニのボーカルでは熱情残る無骨さもあり、それが次の瞬間にはこの不思議な空間に融けきってしまうという凄さ。
コロナ禍があけた日には、また来日してほしい晴らしいパフォーマンス集団です。
番外編
これ歌詞がみんなの頭のなかに入ってるからこそ笑えるんだよね…。無駄に背景色もPVによせてるし。
♪ Bad guy~ 「Duh」
の流れからのドヤ顔やめてもらえませんか?(笑)
でも欲を言えば、次の「hahahahaha hahahahaha」のパートまでハモリでやってほしかったな…
ほかにニルヴァーナ「
いかがでしたか?
今回は数あるカバーソングのなかでも再現率とアレンジ率に特化して曲を選んでみました。
冒頭でもふれたように、音楽ビジネスありきの現代ではカバーソングを歌うことがある種のデビュー登竜門のような構造も生まれています(SNSの動画アップ然り、オーディション番組の選曲然り)。
けれどその曲は「カバー曲」であっても「コピー曲」ではないというのが、音楽の神秘的なところ。例え同じタイトル曲を演奏しても、他者が口ずさんだ瞬間、同じ曲はこの世に二つとして存在しなくなるのです。
もし好きな曲があったらそれをカバーをしている人にも注目してみると、またその曲の新しい側面が見えてさらに音楽観が広がるかも。
ぜひ、今後もカバー曲に注目してみてください。