昨日と今日と明日。
とくに時の流れは変わらないはずなのに、年号という「節目」のおかげで、わたしたちは「今まで」を振り返ったり「これから」の自分に襟を正したりするものなんですね。
こんにちは。よあけのアラームです。
今回は新しい元号「令和」ということで、「New」のつく心に残った曲をひっそりまとめていこうかなと思います。一言でNewと言ってもその背景は様々。悲しい痛みを秘めてのNewなのか、希望に満ち溢れたNewなのか、緊張感あるファイティング前のNewなのか、誰かを思ったり願ったりのNewなのか……。
今からご紹介する曲はどれも誰かの肩を押してくれるものばかり。わたしもそれぞれの曲に、わたしの今までを寄せて改めて聞いてみようと思います。
新年にふさわしい門出を祝う New Year's Day by Pentatonix
New Year's Day - Pentatonix 2015 Recap Video
この改元のために作られたかのようなタイトルですがもちろん違います。
アカペラグループのPENTATONIXが自分たちの成功を記念し、これまでのまとめとして制作した曲。
“過ぎた日にキスを贈ろう 新しく迎える年のように”
と歌われているように、まさしく過去を愛し前に進んでいく新しい門出にぴったりな曲です。
彼らは SingOff というアメリカのアカペラオーディション番組で優勝。
5人という少ない人数でビルボードTop40のヒット曲を次々とカバーし、各個人の歌唱力、そしてリスクを厭わない圧倒的なアレンジ力をもってアカペラ史に一石を投じました。
けれどその素顔はまだ20代という、楽しいことやいたずら、おもしろいものが大好きな若者たちで、ほんの数か月前まではヒットチャートのナンバーに酔いしれる普通の学生だったのです。
お医者さんやミュージカル女優など、それぞれに抱いていた夢もあった彼らが、まさかあのヒットチャートの1位をとるとは……。
そんな環境の変化を素直に喜び、これからも「歌っていく」という決意表明をするようなこの曲。
まさに“PTXアンセム”といっていい素晴らしいナンバーです。
わたしも自分の環境が変わる度にこの曲を聞きながらドライブし、時には涙したり勇気をもらったりしています。
New を重ねればあなたはもっと強くなる New Rules by Dua Lipa
Dua Lipa - New Rules (Official Music Video)
ご紹介するまでもない大ヒットナンバー。
私がこの曲でなるほどなぁ…と思ったのは「New」を重ねることが自分を強くさせて鎧のようなものになる、という解釈です。
New と聞くと何となく「freedom」で「revolution」っぽい革新的なものをイメージしていましたが、彼女は自分に新しいルールを敷くことで、より強く、より(彼の存在から)自由になろうとしています。
そのルールの一つ一つを繰り返し、体に沁みこませることで自分が解き放たれる、と歌っているのです。
これは恋愛体験以外にも同じことが言えます。
新しい関係、新しい知識、新しい環境…。
それ単体だけではまだ心もとない経験が、それを重ねていくうちに「体験」となり自分の新しい血肉になっていく。
もしかしたらその時、その新しさはもう「New」とは言えなくなっているかもしれないけど、必ず「新しい自分」にはなっている。
“New”という概念そのものの新しさも改めて示してくれたこの曲は、わたしにとって本当の意味で「ニューミュジック」と言えそうです。
再び立ち上がりここからNewを創っていく New Position by DA PUMP
U.S.Aも心に響くものがあったけど、これは心の琴線をギンギン鳴らしまくるすごく好きな曲です。
まずもってm.c.A・Tさんプロデュースってこと!これは往年のファンなら泣いて喜ぶレベル。とくに粘っこいベースとISSA兄さんのライトな(そして艶やかな)声のコントラストが心地いいです。
わたしは4DPの後半が好きだったのですが、それでもこの「ザ・DA PUMP」サウンドが聞けたときは素直にとても嬉しかった。
よく時代を象徴する歌とかいうけど、それって個人の体に無意識にすごく沁みこんだ曲ってことで、そういう意味ではやっぱり DA PUMP ってポップカルチャーの大きな一旦を担ってたんだなぁとしみじみ思ったりしました。
振りはパートごとに区切って全員で担当しているようです。
やっぱりDAICHIくんが考えたパートはDAICHIくんが目立つし、Tomoくんのも然り。やっぱり特技は人を光らせますね~!
個人的にはISSA兄さんの小刻みなステップ、いち早く音とビートを掴んで動く瞬発力がたまらんです。
歌詞は言うまでもないですね。この歌詞を本当に実現してしまった7人。
これからまた山あり谷ありでしょうが、そんなことはお構いなしに何も変わらず自分たちの信じたビートを追い求めて歌い踊り続けていってほしいです。
本物はいつまでたっても本物です!
同意を求めず前に進むために Brand New Me by Alicia Keys
Alicia Keys - Brand New Me (Official Music Video)
アリシア・キースは歌う詩人だなぁと思うときがあります。
歌手というよりリリックを重視していて、まるで朗読劇を目にしているような錯覚に陥るんです。
この頃の彼女はグラミー常連のいわゆる「優等生」のイメージからの脱出にそうとうな時間をかけて模索していたように思う。
確かなメッセージ性とソウルフルな歌声。さらに気品がある美しい容姿は、世間から注目されるのに十分でした。
この頃に読んでいた音楽雑誌でも「天才」とか「音楽世界の救世主」とかよく書かれていた記憶があります。
そういうもの全てがアリシアにとっては違和感しか感じないものだったんじゃないのかな…なんて。
この曲は彼女がその戦いのまっただ中のときだったように思います。
素人目に見て、サウンド・容姿などの面で本当に解放されたのは、次回作の『Here』からというのが印象に強い。
けれど「新しい自分」をまわりがどう思うか、受け入れてくれるのか、という繊細な葛藤は、その渦中でないと書けないもの。
さらには、ようやく光が見えてきた、という淡い希望のようなものも伝わってきて、同じ悩みのなかにいるリスナーを勇気づけます。
新しい私を見て怒ったりせず一緒に喜んでほしい、という歌詞のとおり、「New」は時にわたしたちを孤独にし対立させたりもします。
それでも「New」を追い求めていく限り、わたしたちは強くあらねばならないなぁとこの曲を聞くたびに思うのです。
New を分かち合うということ A Whole New World by Claire & Dave Crosby
A Whole New World – Claire & Dave Crosby | Walt Disney World
この曲を嫌いな人っているんだろうか……。
説明不要の名曲ですね。
ディズニーソングTop100なんてものがあったとしたら間違いなく10位以内、いや5位以内にはランインするディズニーを代表する傑作。
今年は実写映画も公開されますし、さらに注目されそう。
劇中では「自由」をイメージにおいたこの曲ですが、なかなかどうして…。この親子が歌うだけでこんなにもイメージが広がるんでしょうか。
父は娘を得て「今まで」のなかに「新しい」世界があることを知り、娘は父が示す「新しい」世界を完璧な信頼をもって飛び込んでいく。
Newは対立を生むものでもあるけれど、それをみんなで受け入れられたら恐ろしいことも分かちあえるかもしれません。
この親子はYouTubeでディズニーの曲をカバーしているので気になったら是非チェックしてみてくださいね。
さて、Newのつく曲を5曲紹介いたしました。
個人的な意見ですが、完全に過去と決別するっていうのは私たちにとってとても複雑で難しいことだと思います。
それでもこうやって「新しい」何かに向かったり、何かに区切りをつけて前に進もうとするのも、人間にとって本能的なものだとも思います。
今までとこれから。
この二つのバランスを上手に保って、どちらも慈しんで日々を重ねていきたいものですね。