2021年上半期でよく聴いた曲・印象深かった曲をあげています。
ヒットチャートから選ぶことが多いですが、過去の曲やメインシーン以外からの音楽も選んでいます。
そして今回は(いつも?)アンガーマネジメント案件のような内容になっていますので、
心穏やかにいたい方は、またお時間あるときにお読みいただければ嬉しいです(気分を害してしまったら申し訳ないので…)。
いやいや熱くなっていますとも!という方は、どうぞ紹介する音楽とともに
“2020年を経ての2021年の折り返し”
という、今の現状について振り返るきっかけにして頂けたらなと思います。
上半期をまとめるには少し早いですが、せっかくのブログなので今の気持ちをそのまま残したく、フライング気味にやらせてもらってます。
- ONE OK ROCK-Renegades
- MARINA-To Be Human
- Katy Perry-Not End Of The World
- ちゃんみな-美人
- sanah-etc.
- その他
- まとめ …地球が一つになる日
ONE OK ROCK-Renegades
何はともあれ2021年上半期はこの曲でした。これに尽きる。
映画『るろうに剣心』のために書き下ろされた曲ですが、作品の世界観とのフィットも素晴らしいうえに、
私たちが生きる実世界での現象をそのまま覆いかぶせたような、これ以上ないぐらい骨太でダイナミックな曲です。
ギターラインやビートのとり方など共同制作者であるエド・シーランらしさも垣間見えつつ、OOR節全開のドストレートな熱さはそのまま。
まさに「訴える」曲となっています。
パンデミックの世界で物質的にも心情的にも抑え込まれていたものが、その反動で一気に躍動することは当然。
そして、今まで「何かおかしい」と感じていた疑問や不信感が、パズルのピースのようにつなぎ合っていくこと、これも当然のことです。
私たちには思考する十分な時間があったから。
私はこの曲を聞いて、
OORのいう“反逆”が「暴力」や「扇動」でないかぎり、社会はそのエネルギーとしっかり向き合うべきだと改めて強く感じました。
“僕らは反逆者(背いた者)だ”
この思い切った言葉を使った彼ら。
これまでだったら「革命」や「抵抗」という言葉でもその役割を担えたのに。
それでも彼らには「反逆」「背信」という強いネガティヴな言葉を使うことに対して、恐れも迷いも、“酔い”もなかったんだろうと思います。
既存権力はこの手のエネルギーを若者の“酔い”のせいにしたがるものですが、本来は彼らの行動や思想を客観的に分析し、その真意を見極めてアンサーするのが礼儀だと思う。
そして彼らが言っていることは本来反逆でも裏切りでも何でもない、至極真っ当な訴えだということも忘れてはいけません。
曲を聞くたびに一人の大人として、彼らにこの言葉を選ばせてしまった重みも感じています。
何事もオープンにして平らにしようとしたら、そりゃ摩擦は起きますよね。
他者という異質なものが入りこんでくるのだから当然です。
そしてきっと今ある幸せや平穏も、これまでと同じような温度では感じられなくなるでしょう。
不便なことも不条理なことも増えるし、慣例や雇用の変化、それこそ治安の問題も避けては通れないと思います。
それでも人は混じり合い、認め合うことをやめずに生きてきました。
そしてこの世界には社会がオープンになっていないだけで、身体的にも心情的にも虐げられたまま一生を終える人がいる。終えた人がいます。
私は、例え自身の幸せの色が変わってしまったとしても、そんな人が一人でも少なくなる世界の方がいい。
分かりあうための摩擦を恐れずに生きていきたいです。
摩擦はつらいけど、その度に苦悩し意見を吐き出し合って、一緒に未来を築いていきたい。
濁りから生まれた絆や信頼は、表面的に綺麗な約束よりずっと強く優しいものだと信じています。
MARINA-To Be Human
カロリー高めの曲が続きますが、二曲目は2019年発売のこの曲。
イマジンに次ぐ世界共通のアンセムにしてほしいほど、歌詞が美しく真実に溢れています。2019年より2020年より、今年たくさん聴いた曲でした。
MARINAはウェールズ出身のシンガーソングライター。
親しみやすいメロディーに普遍性のある歌詞を上手くのせるのが彼女のすごいところ。
曲への親しみやすさで歌詞に対するガードが解け、素直に彼女のメッセージが伝わってきます。
とくに今回あげた曲は、プレコーラスが日本でも馴染みあるメロディーラインで
Anyway You go Or You See
People Are Just Like You And Me
という歌詞が、繊細で輝くような響きに聞こえます。
この歌詞自体はよく使われるフレーズですが、これまで聴いた類似フレーズのなかで最も胸に迫ったパートになりました。
PVでは大戦中の日本軍の映像も使用しており(賛否あると思いますが)これがよりいっそう彼女のメッセージを強調する役割を担っています。
OORの曲への考えにもつながりますが、“私たちは愛と「痛み」でつながっている”
という歌詞がとくに好き。
傷はなければない方がいいですが、避けて通れないのであれば、しっかりその痛みと向き合うべきだとつくづく思うのです…
人間として生きるとは一体どういうことなのか、それを探求していく
というマリーナの率直な思い一つ一つが、今とても深く胸に響きます。
Katy Perry-Not End Of The World
この人は自分流の励まし方が得意ですね。
タイトルにあるとおりパンデミックを彷彿とさせる内容だけど、いい意味でその深刻さを曲に引きずらせない器用さがあります。
シリアスに依存せずドラマティックな曲を展開するのが上手なんですよね。
過去にトランプ元大統領を批判したような『
こんなにナナメ上の邦題だったなんて…
そんな中でも確実に伝えたいことを「むきだしのまま」曲中に転がせているのがケイティー・ペリー。
だからこそリスナーは勝手にそれを見つけて歪さを感じたり、感動して勇気をもらったりしちゃうんですよね。
かねてよりそっくりと評判だった女優ズーイー・デシャネルのPV出演も微笑ましく、ズーイーの好感度も爆上がりした一曲でした。
顔の系統もさることながら、これメイクのベクトルも似てるよね…
ちゃんみな-美人
もう突き抜けました、ちゃんみな。
とくにこの曲はPVより断然 dance ver.の方がかっこよくて好き。リリースされてからはとにかくリピートしまくってます。徹頭徹尾かっこいい!
攻撃的なようでめちゃくちゃピュアな世界観にとにかく惚れぼれしてしまう。
あらゆる声色を使いながら、万華鏡のように過去・現在・未来を切り替えながら彼女の咆哮を表現しています。
まるで他人のアルバムを直接脳に注ぎ込まれているような強烈な感覚。
“トイレの女神をつかまえなさい”
この部分に彼女の強さがこれでもかと刻まれていて、ゾクゾクするほどの快感を味わえます。
あっこゴリラ・大門弥生など(個人的には重盛さと美も)、ここ数年で邦女性のラッパーの才能が次々に開花しまくっているので、オラワクワクすっぞ状態が続いてます。
sanah-etc.
ポーランドで大人気のシンガーソングライター sanah。
毎度のことだけど、この人の音楽観のすべてが理想的すぎるんですが。どうにかしてください(笑)。
出す曲出す曲、音も人もすごく自然で自由自在。
彼女の音楽を聴いていると、人間らしい幸せが分かった気になり(笑)充実した気分になれるのもいいです。
とくにこの曲は伸びやかなコーラスが印象的で、よりいっそう彼女の軽やかさを表現していて爽快。
コーラスの母音「a」の切り方も呪文のようにミステリアスで癖になります。
これからも注目していきたいアーティストです。
その他
曲も高カロリーなら紹介パートも高カロリー…。よくないな。
ということで、その他の曲はさくっとまとめていきます。
◆Runaway June-We Were Rich
私はカントリーのトリオバンドにめっぽう弱いマン。
こんな時代だからこそ、ふとブルーグラスを聞くとその清涼感に心洗われます。
◆Delta Goodrem - Billionaire
オーストラリアの人気歌手デルタ・グッドレム。
オーストラリア版 The Voiceのコーチも務めてます。
めっちゃ美人&スタイルよすぎ。あけすけでド直球なこねくり回さない音楽も好き。
◆Nicki Minaj、Drake、Lil Wayne- Seeing Green
大好物!このヴィンテージライクなインタールードがたまりません。
とくに今回はグルーヴを重視したような曲が多くて、近年のニッキーのアルバムの中ではとくにノレました。
◆The Kooks -Around Town
アルバム『Listen』は好きすぎて、ちょっと聞いただけで興奮状態になります。
過去の【聞きまくった】にも出してるかもしれないぐらい、ほっといたら永久に聞きまくってる曲。
改めて…いや改めなくても、わたしクークスが大好き!!
◆Ado-踊
Teddy Loid 仕事しすぎー!と狂喜乱舞。今までのAdoの曲で一番好き。
完全な持論ですが「日本音楽はアングラこそ公式」と思っているので、ボカロ系や顔見せNGアーティストが増えるの歓迎してしまう。
SNS時代だもん曲がよければ勝手に世界には伝播するし、アニソンはじめこの独特な雰囲気って日本特有の強みなわけで、大切にすべきだと思いまふ。
まとめ …地球が一つになる日
世界共通の敵(宇宙からの侵略者)があらわれたとき、地球人は一つになる
映画や小説でよくあるストーリーですね。
国の、個人の利益やプライドなんて関係ない。
生き残るためにはそれしかないから生存本能も含めて、世界が助け合う。
では、現実に「それ」が起きたら?
悲しいことですが、2021年を半分生きて
わたしは地球人が一つになることは果たしてあるのだろうか、という
疑問を感じ始めてしまっています。
悲観論者でも性善説支持者のどちらでもなかったからこそ、自問自答した先のいきついたこの疑問に、自分でもひやりとしました。
そんな感情の揺れもあってか、全体的に攻撃的な曲を聞いていた上半期。
憤る余裕ができたのか憤るしかなくなったのか、自分でもよくわかりません。
まだまだ不安定な状況ではありますが、何かに照準を合わせて集中したいという思いもあるのかもしれません。
いい加減今の世の中に黙っちゃいないぞ、と反応したい部分と
誰かを傷つけたいわけじゃないから最後まで冷静に行動したい、という「冷静と情熱の間」がずっと続いてます。
でもきっとこの二つは両立できるはずだから、どちらかへ偏る誘惑には負けず、くじけず腐らず、自分や社会と闘っていきたいです。
そして闘う以上に、大切なことを信じたり、慈しんだり、支えるような生き方ができたらいいと思います。
そんな思いを新たにした2021年上半期の音楽まとめでした。
こんな火傷系(熱)の記事にも関わらずここまでお読みいただきありがとうございました。
……おとなしくアンガーマネジメントやってきます。