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2020年の終わりに 魂を揺さぶる名演まとめ ~音楽関係者への感謝とともに~

 

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2020年を感謝の年にしたかった

 

今年も皆さま、大変お疲れ様でした。

何度言ったか分かりませんが、今年は多かれ少なかれ皆さんが大変だった一年だったと思います。

日々増える感染者数とそれに伴う鬱々としたニュースたち…。

そればかり見ているとこの一年つらいことだらけだったと思ってしまいそうになりますが、私にとってこの一年は周囲への感謝を実感できる年でもありました。

医療従事者をはじめ人と接するサービス業の方、とめることができないインフラ関係や物流関係の皆さま。

今でも大変な思いのなか日常を守ろうとしてくださる方たちのおかげで、私は今もこうやってブログを書くことができています。

今回は、年の終わりに誰かへの感謝の思いでこの一年を終えたいと思いブログにまとめてみました。音楽ブログなので、音楽にまつわることでこの思いを表現できたらいいなと思っています。

 

 

何度も聞いて何度も救われた名演5選

 

今年は生まれて初めて「進んで音楽を聞く気になれない」という自分でも信じられないような体験をしました。

実際は数日のことでしたが、私にとってそう思うこと自体がはじめてだったので、自分で自分が信じられず、これは本格的に(精神状態が)やばいのかもしれないと慌てたりしました。

そんな中たまたま見た動画だったり、その関連動画だったりで、私を奮い立たせてくれた曲もありました。きっと皆さんそれぞれにもありますよね。

そんな曲たちのおかげ(だけではありませんが)で何とか持ちなおし、数日後には「NiZiUかわいすぎ」と踊りまくるぐらい復活できたのでありました(まぁ幸いにもそんな程度のぐらつきだったわけですが)。

 

ここからはこの一年、さまよえる私の精神状態を叱咤し、ときに引き上げてくれた素晴らしいパフォーマンスの曲をご紹介していきたいと思います。

独断ではありますが、皆さんの心に響くものがあれば嬉しいです。

 

MISIA ミーシャ 明日へ(歌手 当打之年より)

 

 

二月、たぶん今年一番オロオロしていた時期に聞いた曲です。

当時のブログでも書いたけど、この曲を聞いていなかったら私はもっと闇落ちしてたと思うし、もっと嫌な奴になってたと思う。

 

musiccloset.hatenablog.com

 

この曲を聞いてボロボロ泣くことで荒んだ気持ちがリセットされ、ゆっくりと冷静になっていくのを実感しました。 

それからはマイナス思考になるよりも、今目の前にある人・コト・物に感謝する気持ちの方がずっとずっと大きくなったのを覚えています。(今でもオロオロの連続ではあるけれど)

このコロナ禍のなかで最も感謝し、最も心に残っているパフォーマンスの一つ。

長い間日本の音楽をあまり聞いていませんでしたが、やっぱりMISIAはすごいです。歌唱力とはまったく違う次元で素晴らしい歌手になったと思います。 

 

10月にリリースされたこちらも涙なしには聞けない、胸が苦しくなる曲。医療従事者への最大級のリスペクトも、改めて心を引き締めるきっかけになりました。

 

MISIA - さよならも言わないままで

 

いつかこれまでの日々を 心が振り返る時

何を悲しく 何を幸せだと思うだろう 

 

なんて穏やかで凄まじい歌詞。この言葉を心にとめて生活できたらと思います。

 

800 musicians from 55 countries combine to create a stunning virtual video - Nearer, My God, to Thee

 

 

思わず画面越しに一人でスタンディングオベーション

アメリユタ州の大学合唱グループ BYUボーカルポイントの主導で、55カ国800人のミュージシャンが「Nearer, My God, to Thee」を熱演しています。

数年前にBYUがパフォーマンスした際のゲストやOBも集結。現メンバーが、この時期にこの曲を選んでくれたことにも感慨深いものがありました。

過去の記事にも書きましたが、この曲は実際のタイタニック号が沈没する際に客演バンドが演奏していた、歴史的にも非常に繊細な位置づけのミサ曲です。

 

BYUボーカルポイントについてはこちらをどうぞ 

musiccloset.hatenablog.com

 

聞いていると、人が歌う理由、人が奏でる理由、人がつながる理由、人が生きようとする理由が、洪水のように心のなかへ溢れてきて、いつの間にか熱い涙がこみあげます。

大げさじゃなく、人が生きるってこういうことなんだと強く思いました。

 

Kelly Clarkson ケリー・クラークソン - I Dare You Virtual Acapella Choir

 



ケリー・クラークソンの曲を世界各国の若手ミュージシャンがアカペラでカバー。歌詞がとてもいいです。

 

I Dare You To Love

愛してみせてよ

 

このある意味挑発的な歌詞を、今の世界で、若い彼らに歌わせた。そんなケリーの意図を考えるとふつふつと熱い気持ちがこみあげてきました。

以下、この動画をみてふと思い出したことについて少しお話させてください。

 

「未来は君たち若い世代にかかっている」

年上の人たちから何気なく言われるこの言葉。

私は自分がいわゆる「若者」だったときも、この言葉が好きじゃありませんでした。

 

実際に上司との飲み会の場で冗談交じりに言われたり、親族の集まりで真剣に言われたり。そのたびに私は苦笑い(というか半笑い)をしてかわしていました。(見方によっては嫌なやつだったという自覚もあります)。

なぜかというと、託されている使命感より他人事で責任の押付けに聞こえてしまうその言葉に、素直に「お任せください!」という気分になれなかったからです。相手にそんなつもりは無かっただろうけれど、そもそも冗談まじりに言ってほしくない言葉でもあったんです。

けれど、いつの間にか自分の周りの年代でこれに似た言葉が聞かれるようになってから痛感しました。

 

ああ、人はこの言葉をずっと繰り返して自分の重荷を軽くしているのか。

あとは託したよって肩をたたいて地球環境とか社会問題とか逃避不可能な責任問題を自然に心から消していくのか。

 

もちろん晩年ぐらい穏やかに…というその気持ちも理解できるし、偉そうに何かの音頭をとれる立場にもないけれど、そんな一瞬でバトンタッチできるほど軽い問題じゃなくない?生きてる限り一緒に解決していくべきことじゃないの??

 

少なくともこのパフォーマンスを見たら、私は彼らに「あとは任せた」なんてとてもじゃないけど言えない。

そんな無責任な言葉、彼らに言うような年の取り方をしたら絶対ダメだって強烈に思ったんです。

 

次の世代に「負の遺産残しちゃってごめんね」と謝罪だけするのは間違ってる。

自分もこの世界に関わっていることを自覚して、少しでも生きた責任を全うしながら老いていきたい。

そしてもっと言えば後進の若い世代がもっともっと輝けるような世界になるように貢献していきたい。

 

ちょっと熱すぎたかな…。 

もう若者ではないし、かといって成熟した大人でもない私。彼らのこのパフォーマンスを見て、改めてこの世界の一人の人間としての責任に気づかされたというお話でした。 

 

I Dare You

I Dare You

  • provided courtesy of iTunes

 

Nothing But Thieves ナッシング・バット・シーヴス - In Solitude :: Sorry ft. Fans 

 


オリジナルPVの世界観も相まって余計にぐっとくる曲。

彼らのセカンドアルバム『Broken Machine』収録。

 


今聞くと世紀末的PVにも考えさせられることがあります…

 

もともと好きなバンドでしたが、この曲をこういう雰囲気でプレイしてくれるNBTが更に好きになりました。

オンラインでつながるということだけでなく、ちゃんとファンの音を拾って作品として演出してくれるし、何よりそれが大がかりでなく気取ってないのが最高。でも曲がしっかりしてるから、ぜんぜんガチャつかないのも凄いんだよなー。

 

コナーの迫真に迫るボーカルも素敵。ファンの思いをバックにしたラストの笑顔にも引き付けられます。これからも守っていきたい声と存在のヴォーカリストです。

 

近年音楽へのこだわりがとくに強くみられるバンドなのに、それが尖りにならず常にオープンな雰囲気なのも、彼らの人柄によるものでしょうか。意外に年配のレディがいるのも微笑ましいです(笑)

 

Broken Machine (Deluxe)

Broken Machine (Deluxe)

 

Andrea Bocelli アンドレア・ボチェッリ  Amazing Grace – Music For Hope (Live From Duomo di Milano)

 

 

中継で見ていましたが、これは言葉にならなかった…。しばし呆然と見とれてしまいました。

子供の頃から知っている偉大な歌手が、コロナ禍まっただの中でも歌い続けてくれている。それがこんなに力強いことなのか、と。

何故か少し安心した気分にもなり、とにかく不思議な気持ちになったのを覚えています。

生きてるうちから未来の音楽史(ベートーベンとかそういうレベルの)に名を残すことがわかっている歌手なので、そんな人が世界のために訥々と歌い上げているこの光景に立ち会っていること自体が意義深いような気がして。

 

なんとなく、なんとなくなのですが、歌っている彼のバックに歴代の音楽家が浮かび上がるような気がして、これまでの音楽もこうやって幾たびの苛酷な歴史を音で彩っていったのだと思うと、それだけでありがたく心穏やかな気持ちになれました。

そういう意味でも、今年はクラシックをより身近に感じることのできた一年でもあります。

 

Believe (Deluxe)

Believe (Deluxe)

  • アンドレア・ボチェッリ
  • クラシック・クロスオーバー

  

音楽関係者の皆さまへ

 

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最後は音楽関係者の方々へのお礼で、この年のブログを締めくくりたいと思います。

一番感謝を送るべきなのは医療従事者の皆さま、という気持ちは変わりませんが感謝こそ天下のまわりもの。色んな方に惜しみなく感謝することが、きっと一番いいサイクルになるはずですよね。

 

改めて

イベント司会の方、DJの方、マネージャーの方、バックバンドの方、サポートメンバーの方、企画運営の方、美術設営スタッフの方、ライターの方、演者家族の方々……

ほかにも一般リスナーからは知りえないご苦労をなさっている皆さま。

 

マスク、消毒、整理券、 シートやアクリル板の設営、ディスタンスチェック、会場誘導、オンラインでのプロデュースや企画運営、演者・観客の健康チェック、有事の際の危機管理…

今思いつくだけで、やることも責任も(きっと時には様々な場所からの板挟みも)その調整や何より先の見えない将来など、今年は何度もそのご苦労に思いをはせる機会がありました。

つらいなか、厳しいなか、本当にありがとうございます。

 

今年は皆さんのおかげで、心を毀さずにすんだ人たちがたくさんいると思います。

みんな一度はくじけそうなとき、好きなアーティストやパフォーマーのオンラインライブなんかを見て、聞いて、一瞬でも気がまぎれた。そんな連続の一年だったのではないでしょうか。

画面やステージに映るたくさんのアーティスト、そしてその裏で彼らを支える皆さまのおかげで、私は何とか2020年を乗り切ることができました。

アーティストや演者のパフォーマンスを画面で見ながら、しっかりと皆さまの存在を感じました。

 

生きていくには先立つものがいるというのは間違いなく正論で、真実です。

けれど、それ以前に必要な「生きよう」とする意思を奮い立たせるのは、ふと聞こえてきた音楽だったり、昔口ずさんだ何気ない歌詞だったりするかもしれません。

そのぐらい音楽には大きなエネルギーが秘められていると、自身の経験からも信じています。

そんなエネルギーを育み、放出し続けてくれる皆さんに少しでもお礼を言いたかった。

 

こんな大変な時代にエンターティメントをとめないでくれてありがとう。

演者が「そのとき」伝えたい音楽を届けてくれてありがとう。

リスナーが渇望していた音楽を届けてくれてありがとう。

 

そしてこのブログを読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

完全に趣味丸出しで独りよがりなブログにも関わらず、読んでいただき時には反応まで下さり、とても嬉しく感謝しています。

来年もマイペースなまま独りよがりなブログが続行されると思いますが、お時間があるときにでも覗いてもらえれば嬉しいです。

 

2021年。

大変な日々はこの先も続くのでしょうが、これからもきっと耐えていく心づもりです。これからも音楽に支えられて生きていくんだろうなぁ…。

 

何度でも思う。音楽って最高だ。 

 

 

【今年私を助けてくれた曲たち】独断ですがよかったらどうぞ。 

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