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テイラー・スウィフト You Need To Calm Down に共感したら次はこれ!LGBT(Q)をテーマにした若きアーティストの曲まとめ

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先日、テイラー・スウィフトが新曲 You Need To Calm Down のMVをアップしました。 

 

Taylor Swift - You Need To Calm Down 


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犬猿の仲と言われていた(実際これまでPVでディスってるっぽいとこもあった)ケイティー・ペリーをPVに招待。アメリカ的ベストフレンドのハンバーガーとポテトとに扮し、ラストは両者にっこり。

さらにこれでもかというほどのLGBTQ(または支持)アーティストの豪華出演!大物司会者のエレンに、ヘイリー・キヨコ、シアラ、ライアン・レイノルズもいます!!!

何これ豪華すぎ!!!!!

なんというか、テイラー・スウィフトのこういう、生まれ持った起爆剤マジックには(ビジネス的に色々あったとしても)驚かされます。

突然の政治発言も大きな話題となったし、なんだかんだこの人は「もってる」アーティストですね。

 

 

音楽で人や自分を愛することを考えたい

 

今回はこの「You Need To Calm Down 」にあやかりまして、LGBTQをテーマとした音楽をとりあげていきたいと思います。

最近はレインボー・フラッグやゲイ・パレードなど、SNS層にも近くなってきたジェンダーの多様性。日本でも、東京レインボー・パレードなどがメディアにとりあげられていますよね。

さらに言ってしまえば、日本の誇るべき漫画・アニメ文化においては、BL(男性同士の恋愛)や百合(女性同士の恋愛)ものは、ほぼ市民権を獲得したと言って過言ではない状態。

大型書店に足を運べば、1枠まるっとそのジャンルだったりするのは最早めずらしくも何ともありません。

 

ただ個人的に、身近になったのはいいことだと思うのですが、かなり繊細なテーマですから、いたずらに「ブーム」になるのはちょっと疑問。

そんな葛藤もありまして、これまでなかなか文字を打てないでいましたが、歌で、曲で、少しでもこのテーマに前向きな人たちが増えればいいなと思い今回書いてみようと思いました。

 

過去にはダイアナ・ロスの『カミング・アウト』やシェールの『ビリーブ』、ABBAの『ダンシング・クィーン』やレディ・ガガの『ボーン・ディスウェイ』など傑作・名曲も多いこのテーマ。

ですが、今回は出来るだけ「今より」の、若いアーティストの曲をご紹介。

不勉強は目に余るかもしれませんが、音楽ブログというジャンルで出来ることを楽しくご紹介していけたらと思います。

 

若きアーティストが訴えるLGBTQソング 

 

とくにここ十年で、このテーマを扱う曲は裾野を広げたと実感しています。 

その要因は筆者含むSNSやネット社会で成長し、様々な価値観を共有するようになった世代が音楽のメインシーンを担うようになったのが理由の一つでしょう。

ここからは、そんな「今」を私たちと共に生きているアーティストたちが歌うLGBTQに関連した曲をご紹介していきます。

 

1. Little Mix リトル・ミックス - Secret Love Song  ft. Jason Derulo

 


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秘めた愛について歌った壮大なバラード曲。

なぜわたしたちは他の人たちのように愛し合えないの?

という、シンプルですがズシっとくる言葉を何度も何度もリスナーに投げかけます。

今や世界一のガールズグループとなったリトル・ミックスは、LGBTQやマイノリティーへの支持を明確にしていて、ポップ界への大きな影響の一旦を担っていると感じます。

彼女たちはほかの曲でもドラァッグ・クイーンと共演したりしているので、今後もこのようなアンセム曲を披露してくれるかもしれません。 

 

2. Panic! At The Disco パニック・アット・ザ・ディスコ-Girls/Girls/Boys

 


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テイラー・スウィフトとのコラボ『ME!』も未だ好調の Panic! At The Disco

彼はこの曲でかなりトリッキーな歌詞を披露しています。

主人公のジェンダーや、彼(彼女)の思う相手がどんなジェンダーなのかも、ギリギリまで伏せながら歌っているのです。

まさに誰が誰を好きでも問題ないっていう、普遍的なテーマをブレンダン流におちゃめに表現しています。 

 

3.  Todrick Hall トドリック・ホール- It Gets Better 

 


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個人的に好きな一曲。

Todrick Hall (トドリック・ホール)はマルチに活動するアメリカのユーチューバー。もはやユーチューバーと言っていいかも分からないぐらいほど活動しているので、マルチタレントとでも表記すべきでしょうか。

テイラー・スウィフトの You Need To Calm Down の制作総指揮も担当し、MVにも出演しています。

 

この曲はセクシャル・マイノリティーについてのファイトソング。

「いつか(このつらい現状が)よくなる」と肩をそっと抱きしめてくれる素敵なナンバーになっています。

彼自身もオープンゲイですが、それ以上に多くのことにアンテナを立てているアクティビストでもあります。

テイラー・スウィフトをはじめ、ビヨンセなど多くのトップアーティストも認めている彼の世界観を、ぜひユーチューブなどで体験してみてください。

また、新進気鋭のアカペラグループペンタトニックスとも何度かコラボもしていて、両者やりたいこと・伝えたいことが常に溢れ出ているすごい才能の持ち主です。 

 

4. SUPERFRUIT スーパーフルーツ- GUY.EXE

 


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そのペンタトニックスメンバーによるユニット。

この二人はLGBTQであることを自身のMVで表現しています。

彼らの音楽はポップに特化しているので、かなり聞きやすいですね。自分で「完璧な彼氏」をつくろうとしている歌詞の何とも言えないかわいさが、いわゆる「普通の恋愛」で微笑ましいです。 

 

5. Hayley Kiyoko ヘイリー・キヨコ- Feelings

 


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個人的にレズビアンアーティストの旗手というイメージが強い Hayley Kiyoko 。

キヨコという名前からも分かるように日系のアーティストで、そのルーツや自分のジェンダーと向き合おうとしっかり伝わってくる若き才能の一人です。

代表曲は『Girls Like Girls』ですが、個人的にはエッジが効いた少しミステリアスなこの曲の方がなんとなく好き。 

 

6. Mark Ronson マーク・ロンソン- Pieces of Us (Audio) ft. King Princess キング・プリンセス

 


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キング・プリンセスというネーミング自体を「ジェンダーのなかで遊んでいるみたいでしょ」と答えるミカエラ・ストラウス。

前作「1950」が大ヒットしました。

自分のジェンダーを特定しない「クィア」(LGBTQの“Q”の部分)という選択肢をとり、そのスタイルをアーティスト名にとりあげています。

マーク・ロンソンが設立したレーベルからのアーティストなので、このコラボは満を持して、という感じでしょうか。 

 

7. EVERYONE'S JUST A LITTLE GAY: A Pride Month Musical - w/Taryn Southern & Ross Everett

 


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何より「みんなチョットはゲイ」というタイトルが素敵。

ジェンダーにまつわるアレコレをミュージカル風にパフォーマンスしています。もともとはプライド期間にインスピレーションを受けたプロジェクトのようです。

Taryn Southern はアメリカン・アイドルのサードシーズンにも出演。

 

このテーマはどうしてもシリアスになりがちですが、そもそも人を愛することって楽しくて幸せなことだってあるよね?という「当然のこと」を思い出させてくれます。

それに「あれ?自分って絶対このジェンダー?」と振り返るのはすっごく有意義だし、人間としても成長させてくれるテーマだと個人的には思ったりしています。

  

8. Adam Lambert アダム・ランバート- New Eyes

 


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こちらもアメリカンアイドル出身の歌手。

アダム・ランバートは自身をゲイだと公表しており、カミングアウトアーティストのなかではビルボードで史上初の1位を獲得したすごい人でもあります。

また2012年にはクィーンからオファーされてツアーを行うなど、偉大なアーティストであるフレディ・マーキュリーのその魂までも継承するようなカリスマ性をもっています。

今回の「You Need To Calm Down 」にも出演しているので探してみて! 

 

9. Troye Sivan トロイ・シヴァン ー HEAVEN ft. Betty Who ベティー・フー

 


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自分を偽ってどうやって天国へ行けるの?という、もっともな一節が胸を打ちます。

トランスジェンダーのカミングアウトを支持したことで有名なトロイ・シヴァン。自身も同性愛者。

今や押しも押されぬ人気アーティストとなり、アリアナ・グランデなどの大物とのコラボもありましたね。

悩み傷つきながら、いつか真実を口にできることを待ち望んでいる。そんなもどかしく瑞々しい心情を歌っています。

映画『ある少年の告白』にも出演。 

 

 10. Christina Aguilera クリスティーナ・アギレラ - Beautiful

 


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アギレラはキャリアの早い段階でセクシャルマイノリティーを支持。

未だその層からは根強い人気があります。(彼女の場合はジェンダーだけでなく、全てのマイノリティーに重きをおいている面があります)

この曲はグラミーを獲得しており、アイドルアイコン的だったアギレラの、パフォーマーとしての転換期となった曲でもあります。

10年以上も前の曲ですが、いまだ色あせず心に沁みるメロディーですね。アギレラらしい、パワフルでエモーショナルな声で歌い上げています。

 

この時代でみんなが自分らしくあるために

 

さて、いくつかLGBTQに関する曲をあげてみましたが、いかがでしたでしょうか?

テイラー・スウィフトとケイティー・ペリーの和解に象徴されるように、ジェンダーについても、平和についても、結局は「歩みより」が一番大切なことだと思います。

もっと言ってしまえば、違いにヒートアップするのではなく、テイラーが言及するように「落ち着き」が必要なんですよね。

いったん落ち着いて「あ、自分とは違うんだ」と思ったとして、それはそれで事実。

そこからは違いを楽しんで理解し、許容する。そうすればお互いにもっと居心地のいい関係になれる。

 

難しいことかもしれませんが、ことジェンダーに関しては、ジェンダーがその人を「どんな人間か」決めるモノサシにはなりません。

異性愛者であれ同性愛者であれ、気の合う人とは気が合うし、いじわるな人はいじわるな人だと思う。

それを忘れずに、少しずつ理解できるところからでいい。

世界がレインボーカラーを愛することができたらまた一歩、楽しい世界になるような気がします。

そんな世界に向かっていくアーティストたちの素晴らしいナンバーはまだまだたくさん!

是非、時にはディープな、時には楽しすぎる、あなたのお気に入りのレインボーミュージックを見つけてください。