ギリシャ音楽が踊れるって知ってた?
ギリシャ音楽といえば、ハリス・アレクシーウで時間がとまっていたわたしですが、久々に聞いてみて驚き。
そこにはただ踊れるだけでなく、ただエキゾチックしてるだけでもなく、洗練された音の数々が…!さすが東西交わるギリシャ、文化への確かなアンテナには脱帽です。
そこで今回は
踊れるギリシャ音楽
をご紹介します。
バラードやライカ(ギリシャ音楽における大衆歌謡)も交えながら、その土地特有のリズムが感じられるものを選びました。と同時に、なるべく聞きやすくて耳に馴染みやすい音楽をご紹介してます。
…ムカムカしたりイライラしたときはお部屋のかたすみで、碧い空と地中海に思いをはせながらこっそり踊ってみてくださいね。
※現在と伝統的な歴史を鑑みて、カテゴリーはヨーロッパとバルカンでおいてあります
- MARINA SATTI マリナ・サティ…ギリシャポップスの新星
- Konstantinos Argiros コンスタンティノス・アルギュロス…人気のライカイケメンシンガー
- Josephine ジョゼフィーン …コケティッシュな魅力で注目のモダンライカシンガー
- Elena Paparizou エレナ・パパリズー …ユーロビジョン優勝者の圧倒的なパフォーマンスを見よ!
- Sakis Rouvas サキス・ルーバス… ギリシャの国民的イケメンアーティスト
- Eleni Foureira エレニ・フーレイラ…ギリシャのビヨンセ?カリスマ美女のホットな魅力
- まとめ
MARINA SATTI マリナ・サティ…ギリシャポップスの新星
うーん、センスの塊やねん…。
決して複雑な音作りではないはずなのに、全体の音の交わり方がすごく新鮮です。
重低音のベース、神秘的なハーモニーではじまり、現代クラブサウンドでくるかと思いきや、いきなりのギリシャ楽器の投入。
後半はどちらも譲らず「カオス的」に聞かせます。一見ごちゃついているようですが、ベースコードは一貫して現代的コードで進行するので程よいキャッチーさもあります。
ギリシャ楽器をわざわざスクラッチさせる茶目っ気(賢さ?)も小気味いいですね。
マリナ・サティはギリシャとスーダンにルーツをもつ新進気鋭のシンガー・ソングライター。“サティ”の名前で女優業でも知られています。
幼いころから音楽に興味をもち、とくにジャズ、ギリシャ、アラブ、バルカン音楽に強い影響を受けたようです。
キャリアの転機は2016年。
伝統的なアジア民謡「Koupes」を現代的解釈にアレンジし大きな注目を浴びました。ここでも披露されているように、彼女は部族民謡にも通じており過去にはボビー・マクファーリンと共演したこともあるとのこと。…うーん、すごい。
この曲は Buddha Bar ブッダ・バーのコンピレーション・アルバムにも選出され、同年にはディズニー映画『モアナと伝説の海』にて主人公モアナの声をあてるまでになりました。
2017年に上述の「Mantissa」をリリース。
この曲はたちまちヒットチャート上位にランクインし、ギリシャ・ブルガリアでは1位をマーク。ギリシャの伝統的な音と現代のサウンドがうまく融合され、さらに神秘的なハーモニーが音楽の世界観をうまく底上げしています。
トラディショナルな熱気に踊らされ、そして現代のクールなサウンドにも踊らされ…。かといって一方的なカオスの快感というわけではなく、ふとした瞬間に音がきれいに並ぶ瞬間もあり、かなり緻密に作られている印象も受けます。
神秘的で、且つ馴染みやすいライブもおすすめ。
トラディショナルよりでもなくコンテンポラリーよりでもなく、トライブ・コーラスを非常にバランスよく使っているのが素晴らしいです。
それにしても知的な美人だなあ……
Konstantinos Argiros コンスタンティノス・アルギュロス…人気のライカイケメンシンガー
こういう音楽に弱いのよ…。楽しいじゃん…。
郷ひろみ、ライカ、バルカン音楽、K-popのコレオを融合したらこうなる…(いや、褒めてます)。前後の流れなど気にせず、人気の振りをこれでもか!と総動員してるダンスも潔い。
コンスタンティノス・アルギュロスはギリシャのレフカダ出身。2011年ころから本格的に活動し、これまでにアルバム6枚をリリース。
この曲はオモシロ系(違ったら失礼)だけど、本人はめちゃくちゃナイスガイです。
2017年リリースの『
彼の音楽はモダンライカを主軸にしながら、バルカンの余韻を残しているものが多くあります。ライカはもともとが日本歌謡(演歌)によく似ており、そこにエキゾチックさが交わることで、より日本人に聞きやすいサウンドになるのかもしれません。
余談ですが、ギリシャ音楽はなかなかにドメスティックであり、クレジットなどギリシャ語表記オンリーが一般的です。それが近年、英語表記をひっぱってきており、わたしのような外野にはありがたい限り。…ただの時代の流れでしょうか?
Josephine ジョゼフィーン …コケティッシュな魅力で注目のモダンライカシンガー
お国柄故か、プロモーションの企業案件(コラボ?)すごいな…
若いころからカバーソングを Facebook にアップし、それがパニックレコードの目につきデビューします。
2013年ころから活動を開始。OGEとコラボした「Gia mia akoma fora」はYouTubeの再生回数をのばし注目されます。
まだあどけない顔でかわいらしい。
ジョゼフィーンのパートはなかなかに癖になりますね。新人の頃なのにしっかりした存在感です。
その後、2015年のユーロビジョンのギリシャ代表として出場し「Dancing Night」を披露。残念ながら結果は4位でしたが、彼女の名前をユーロ圏に知らしめました。
バリトンビートを主軸にしていますが、ところどころにギリシャエッセンスをちりばめていて、音楽的バランスが強み。また、ダンスなどのパフォーマンスにはダイナミックさもあり、ステージ上でも花のある存在です。コケティッシュなのにどこか妖艶なお顔も素敵ですね。
前述の「Magia」は彼女最高のセールスを記録し、国内チャートで5位をマーク。今後も注目のモダンライカ・アーティストです。
Elena Paparizou エレナ・パパリズー …ユーロビジョン優勝者の圧倒的なパフォーマンスを見よ!
めっちゃ美人だけど企業案件がすごい…(2回目)。
シンプルでダンサンブルな曲も、エレナが歌うとより生命力にあふれます。ダンスも余裕綽綽ですが、余韻があって見とれちゃいます。
エレナ・パパリズー(ヘレナ表記も)はギリシャ、スウェーデンを舞台に活動するアーティスト。ソロになる前は、テクノハウス系のデュオグループ “アンティーク” でも成功しており、実力・才能ともに一目おかれる存在でした。
アンティーク解散後、2005年のユーロビジョンでは「My Number One」にて見事優勝。その後はよりワールドワイドに活躍しています。ちなみにこの優勝はギリシャ史上初の快挙でした。(アンティーク時代も3位入賞。すごい…!)
スカっとして開放的な歌声は迫力があります。
ステージでダイナミックに歌い踊るエレナからは、パフォーマンスに対する並々ならぬプライドを感じます。このユーロビジョンでも最初から最後まで集中力がすごいです。
ちなみに「My Number One」は欧州のほかビルボードのダンスチャートでもトップ10内にランクインし、世界進出の大きな足掛かりとなりました。
Sakis Rouvas サキス・ルーバス… ギリシャの国民的イケメンアーティスト
このイケオジ、只者ではありませぬ…。
サキス・ルーバスはコルフ島出身のアーティスト。ギリシャを代表する“ポップ”アーティストで俳優で実業家で元体操選手で…とテンコモリなプロフィールの持ち主です。
ライカありきのギリシャ歌謡に、はじめてポップスを取りいれてパフォーマンスしたアーティストだといわれています。そのためダンス曲は本来お手のものです。
今はダンディーなおじさまですが、若いころはベビーフェイスでアイドル的人気がありました。今でもギリシャ女性に強い支持をもつスーパーアイドルです。
キャリア前半では王道ポップス路線でしたが、近年は芸術性のある質が高いアルバムを制作しており年齢、音楽とともに熟成期を迎えています。
また国民的アーティストということもあって、今回の危機においても様々な活動に積極的に参加しており、変わらぬ歌声でファンを癒し続けています。
英語で歌ってくれているのが、また粋ですね。イラストも抜群に似てるし、ずっと見ていられるぐらい美しいです。
ギリシャ国内はもちろん、世界中の人たちに「一人じゃないよ」と訴えられるアーティストは説得力が違うしありがたみがあります。世界中それぞれの音楽で「世界は一つ」といえることはとても尊い。日本ではあまり聞きなれない、エキゾチックサウンドのメッセージソングにわたしはすごく励まされました。
Eleni Foureira エレニ・フーレイラ…ギリシャのビヨンセ?カリスマ美女のホットな魅力
さすがエレニ、文句なしに踊れる曲です。
エレニ・フーレイラはアルバニア出身のモダンライカシンガー。幼少期に1997年のアルバニア暴動を逃れ家族とともにギリシャに移住しました。
ソロ以前、2007年にミスティークというガールズグループに所属。グループはヒット曲にも恵まれ成功しましたが、2009年に解散。
ソロ転向後、2010年にリリースしたデビューアルバムはプラチナム・ディスクを獲得。それからも国内のアワードでは毎回ノミネートや受賞の常連で、カリスマ的な人気があります。その美貌と確かなパフォーマンス力で今でもリスナーを熱くさせるアーティストです。
また、2018年のユーロビジョンにはキプロス代表として「Fuego」を熱唱。
惜しくも優勝は逃しましたが、堂々の2位にランクイン。パワフルでセクシーなパフォーマンスから、ギリシャのビヨンセともシャキーラともいわれているとか。
ちなみにギリシャ音楽は作曲家を重視する傾向があり、クレジットも作曲家が上位で記されることが多いです。
上述の「
この地域特有の、入り乱れ作曲家争奪戦(?)というのも興味深いものがあります。
まとめ
ギリシャ音楽って地理的なこともあるでしょうが、音に宿る念(?)が深刻すぎないところが魅力です。
悲しいバラードであっても狂おしいほどの愛の歌でも、いつかは風に海に自然へと馴染んでいくことを歌い手も聞き手も知っているかのよう。ライカでもバリトンでもスカっとした陽気になれるので、これからの季節とくにおすすめです。
せめてギリシャのバーやクラブに行ったつもりで、お気に入りのギリシャ・ポップスを見つけて、踊って、ウサを晴らしてくださいね。