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今注目のハードロックバンド Nothing More (ナッシング・モア) 代表曲やその魅力について

Nothing More(ナッシング・モア)の歌詞は難解な曲が多い。

漠然とした世界観は感じつつも、彼らが言わんとしているメッセージを的確に受けとれているか、新曲リリースのたびに頭を悩ませてしまう…。

 

こんにちは、よあけのアラームです。

ということで、今回は繊細なメロディーにドラマチックなバックサウンド、プラス少し難解なリリックを携えたハードロックバンド Nothing More (ナッシング・モア)についておブログです。

 

The Stories We Tell Ourselves

The Stories We Tell Ourselves

  • アーティスト:Nothing More
  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: CD
 

  

Nothing More (ナッシング・モア)とは

 

Nothing More(ナッシング・モア)はアメリカはテキサス州サントニオで2003年に結成されたハードロックバンド。(プログレ・メタル・時にオルタナ要素含む)

メンバーは

Jonny Hawkins(ジョニー・ホーキンス) リードボカール
・Mark Vollelunga(マーク・ヴォレルンガ)ギター
・Daniel Oliver(ダニエル・オリヴァー)ベース
・Ben Anderson(ベン・アンダーソン)ドラムス

主にジョニー・ホーキンスが作詞を担当。バンド初期はドラムをプレイしてました。

結成当初はしばらく地道に自主制作アルバムを作り、各地のクラブなどでプレイ。ゆっくりと、ですが着実に名を広めていきます。

そんな彼らに目をつけたのが MOTLEY CRUE(モトリー・クルー)、PAPA ROACH(パパ・ローチ)などが名を連ねる Eleven Seven Music。

某インタビューで Eleven Seven Music の担当者がすぐに彼らの音楽、そして人間性に惚れ込み契約にいたったと記載されていた記憶があります。

会社の猛烈なプッシュもあり、4枚目のスタジオアルバム『Nothing More』は、ビルボードチャート33位にランクイン。一躍彼らの認知度はアメリカ中に広まり、ロック界でも知られた存在へ成長します。

さらに前作『The Stories We Tell Ourselves』は、2018年グラミーベストロックアルバムにノミネート。

続くリードシングルの「Go To War」はベストロックソング、そしてベストロックパフォーマンスにノミネートされるなど、その実力も折り紙つき。

今や次世代を担うロックバンドと言われています。

 

まずは聞きたい Nothing More(ナッシング・モア)代表曲

 

1.Nothing More - Go To War (Official Video)  

 

 

前述のとおり、ここ数年で一番インパクトのある1曲がこちら。アルバム『The Stories We Tell Ourselves』収録。

最初から最後まで緊張感のあるサウンド。これがたまらん!

 

主観的で激しいパフォーマンスをする一方、彼らの視線はストーリーテラー的です。いかなるときも第三者の目線を持ち続けることで、精神的な歌詞をリスナーに沁みこませます。

ラストに何度も刻まれる<Do you (we)feel safe?>。

これもこのバンドらしいところで、ドラマティックなサウンドアレンジとは裏腹に、ズーン…とまるでおもりを落とされたような気まずさのなか曲が終わります。

よく言えば誠意のある、悪く言えば説教臭い曲と言えるかもしれません。(わたしはこういうの大好物なんですが 笑)

MVも素晴らしく、個人的にカップルの演技はアカデミー賞もの。最後に時間が巻き戻る演出も秀逸です。

無理解と不寛容。それが導火線となり怒りや暴力にいきつく境界線をうまく表現しているMVだと思います。

 

ちなみにアコースティックバージョン。ジョニーの声の素晴らしさはもちろん、ユニークなアレンジも見どころです。

 

Nothing More - Go To War (Live @ SiriusXM)  

 

 

2.Nothing More - This Is The Time (Ballast) [Official Video] 

 

 

代表曲の一つ。アルバム『Nothing More』収録。

ビルボードメインストリームロックで2位につけるなど、バンドにとって転機となった1曲です。

オルタナプログレ的な幕開けから、ハード・ヘヴィな展開も鮮やかでエモい。

肝のBメロはリンキン・パークのような繊細さを保ちつつ、一気にサビで解放されるジョニーのボーカルも熱いです。

毎回言ってるけど、アレンジが神がかってるのよね……。

 

3.Nothing More - Jenny (Official Video) 

 

 

パワー、パッション、そしてスキル的にもぶっとびの1曲。

ベース信奉者としてはベースラインがとくにやばい。

ベースをもっと聞いていたいと酔いしれているとボーカルの雨がふってきて、このMVのごとく頭はカオス状態。昂揚感におかされたまま呆然自失で曲は終了。

精神分裂病と闘うジョニーの叔母と双極性障害と闘う姉のジェナからインスピレーションを受けた曲ということもあり、MVにもかなり力が入ってます。

 

ほかにMr. MTV 」「Here's To The Heartache」など、タイトルにドキっとさせられる名曲も多く、音楽のインパクトはもちろん、何度聞きこんでもさらに深い部分を追求できるおもしろみのあるバンドです。

 

Nothing More - Mr. MTV (Official Video) 

 

ファンのカバーに触発されてそのままコラボ。音楽に向き合いすぎ! 

Nothing More - Here's To The Heartache (Piano Version)  

 

とことん向き合う熱男

 

わたしがこのバンドを好きな理由に、音楽やバンドインタビューからひしひしと伝わる「真面目さ」があります。

もちろんただの真面目さではなく、それは音楽やそれ以外のことにしっかりと向き合い続けるという、ある意味「ばか真面目」ともいえる愚直な姿勢のことです。

 

このインタビューではその真面目さがよく分かります。 

 

ちょっと脱線。

少しマジメに語ってしまうと、人生で起こるほとんどのことに正解なんてものはなく、そのときそのときで自分の都合のいいことを選択するほか生きのびる術はないと思う。

けれど、そういうものだからと割り切ってしまう人生と、それについて苦悩していく人生では、必ずその人の生き方に「愛しさ」という違いが生まれる。

彼らは苦悩することに真っ向から向き合い、その人生で時折生まれる割り切れない愛しさを曲にしているような気がするんですね。

イギリスの哲学者アラン・ワッツや、精神世界分野の著者エックハルト・トール、スイスの精神科医・心理学者のカール・グスタフユングといった人物に影響を受けているというジョニー。

彼の歌詞に「人生の答え」は求められずとも、葛藤や苦しみを受け入れる意味は見つけられると思うのです。

 

なかでも個人的に頭を抱えてしまうのがこちらの2曲。

あなたはどう聞きますか?

 

Nothing More - Fade In / Fade Out (Official Music Video)

 

Nothing More - Let 'Em Burn (Official Music Video)

 

 

エモ男子にも真面目女子にもはまってほしい Nothing More

 

Nothing More は、「ロック好き男子」から、一見ロックとは縁遠い「真面目女子」にも受け入れられるバンドだと思います。

サウンドは激ロックでパフォーマンスもかなり激しい。歌ってることは超・愚直。要するに堅実にロックしてるわけで、ロックの王道を地で行っているとも言えるかもしれません。

その一方で「メッセージの見せ方は映画からインスパイアされた」と語るなど、なかなか文学的なところもあるNothing More 。一度体感すれば女性ウケもしやすいと思う。

 

ロック系。もちろん刺さるリリックは健在。 

Nothing More - Do You Really Want It? (Official Video)  

 

こちらは清廉アレンジ系。ファンのなかで人気のある曲です 

Nothing More - Just Say When (Official Video)  

 

 

まとめ

 

音楽全般、いや芸術全般に言えることかもしれませんが、芸術活動は受け手次第でどこまでも作品に深みを加えることができます。

そこに芸術の楽しみを見つけるタイプの人は、ロックファンであろうがなかろうがこのバンドを聞く価値があると思う。

ロックが死んではや何年……なんて言葉もありますが、彼らみたいな気骨あるバンドが生まれてくるたび、ロックはなんて愛しい音楽の形をしているんだろうと気づかされます。

たくさん悩んでぶつかって、例え答えがない人生だとしても、わたしにとっては生きていこうと思える何かを秘めるバンド。

ロックという形で愚直に生きる彼らの音楽を、ぜひ多くの人に体験してほしいです。