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MONO考えHITO感じる 世界の音楽紹介ブログ

レトロで狂気的な病みつきサウンド!イギリス女性歌手 Annique アンニーク

 

いきなりですがレトロなサウンドが好きです。

さらに言えば、そこにバルカンサウンドが入るとその狂おしさにうっとりしちゃったり…(怖)

 

今回はずっと注目しているイギリス歌手の Annique アンニークについて、そしてそのサウンド部分のパートナーでもある Koby Israelite コビー・イスラエリテについて、おブログしたいと思います。 

 

レトロサウンドの私的大本命 Annique アンニーク 

 

Annique(アンニーク)は イギリス出身のシンガー。

幼い頃から歌が好きで、5才になる頃には姉妹と一緒に完璧なハーモニーまで奏でていたというアンニーク。

イギリスの ACM アカデミー・オブ・コンテンポラリー にてバックシンガーなどを務めライブパフォーマンスなどを学ぶ一方で、Mike Skinner(マイク・スキナー)や Gorillaz (ゴリラズ)などのビッグネームとの仕事も経験しています。

ちなみに ACMエド・シーランも在学していたそうな。

 

その後、マルチ楽器プレイヤー兼プロデューサーの Koby Israelite (コビー・イスラエリテ)に紹介され、ともに制作したのが彼女のデビューアルバム『Heads up』です。

 

Heads Up (Bonus Track Version)

Heads Up (Bonus Track Version)

  • Annique
  • ジャズ
  • ¥1681

 

このアルバム、レトロサウンド好きには垂涎もの。

なかでもシングル「Love Not Understood」は、レトロの攻撃性がいい具合にマッチしていてパンチがあります。

 

Annique - Love Not Understood

 

彼女は影響を受けたシンガーにアリス・ラッセル、エイミー・ワインハウス、クイーン、ジョニ・ミッチェルフランク・シナトラなどをあげています。

レトロサウンドのリームブメントのリムーブメント、という側面もあるものの、ところどころにジョニ・ミッチェルのような確固とした意志が垣間見えるのも魅力的。

 

近年エイミー・ワインハウスによって火を灯されたオールドミュージックへの憧憬。

 

Rehab

Rehab

  • provided courtesy of iTunes

 

アンニークはそれをブリットポップのような翳りを付け足しながら、うまく昇華しているように思います。

別の見方をすれば、アデルのようなメロディー主軸のクラシカルポップスの面が強いとも言えますね。

 

同アルバム収録の「 Never Forget The Times 」もとても秀逸。

Annique - Never Forget The Times 

 

ディープなジャズをベースにサイケデリックな浮遊感のなかアンニークの声は縦横無尽に歌います。

 

彼女の声の、何と「ちょうどいいレトロ」さか…

少しこもって少しかすれて、攻撃的でもあり感傷的でもある。低音から高音まで力まずに切り替えられるし、ファルセットは乙女のようなセンチメンタルボイス。

聞きやすいのに流し聞きも可能なんて優秀すぎます。

 

ライブでの歌唱力もバッチリ聞かせます。

Annique Duo 'Endless'

 

ちなみにこのアルバムをリリースしたドイツの Asphalt Tango Records アスファルト・タンゴ・レコーズ は、小規模ながら質のいいバルカンアーティストを扱っています。

ジプシーやロマ系バンドがお好きな方はぜひチェックしてみてくださいませ。

 

Koby Israelite コビー・イスラエリテ の愛すべき音楽フェチ

 

一方のコビー・イスラエリテはソングライター兼プロデューサー。

 Koby Israelite | Subterranean Homesick Blues

 

アコーディオンのオジサマです。

お聞きの通り【東欧サウンド~バルカン~ロマ・ジプシー~ハードロック】をライフワークにしています。

 

なので、思いついたようにツェッペリンの東欧バージョンをアップしては、ツェッペリンファンのわたしを狼狽させます(笑)

When The Levee Breaks. (Led Zeppelin),Koby Israelite/Annique

アンニークも共犯だったか…。うむ、許す。

 

ちなみにコビー氏はモル・カルバシとも仕事していたり。 

musiccloset.hatenablog.com

 

これなんかめちゃくちゃ刺さった曲です。

Koby Israelite feat. Mor Karbasi- Le Mi Evke

彼は正統派トラディショナルミュージックやワールドミュージックにも造詣が深く、実に引出しの多い音楽家でもあります。 

 

二人の化学反応が爆発する レトロ好きにおすすめの曲

 

コビー・イスラリテの一見突飛なアレンジも、なぜかしっくりくることが多いアンニークの曲たち。

コビーはたくさんのアーティストと仕事しているけれど、ポップス要素も大切にしている彼女の声と重なることで、とてもスムーズに聞きやすくなる印象があります。(濃厚なコビー節は大前ですが)

 

Annique- Puzzles. 

 

感傷パートと爆発パートの緩急のつけ方がまさにイスラエリテ。

でもアンニークの歌がうまく誘導しているようにも聞こえる。サウンドよりもボーカルが冷静という、けっこう貴重な関係性のようにも思えます。

しっかし、歌うまい……

 

Annique  Walk on feat. Fanfare Ciocarlia & Koby Israelite

 

個人的に一番のお気に入り!

なんといっても、ファンファーレ・チョカルリアのジプシーブラスがたまらない。

 

Moliendo Café

Moliendo Café

  • Fanfare Ciocărlia
  • ワールド
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

そうかと思えばサビはもろオールドポップスだし、もうこれはコビー氏のフェチなんじゃない…?と思いたくなる変態的展開におののき(褒めてます)。

くそー、なんて贅沢なチョカルリアの使い方なんだ……

 

London's Burning

 

パンクの狂気さをレトロの狂気さでオマージュしてる…。「ロンドンコーリング」言うてますやん!!

この音楽的なコントラストをうまく誘導できるのがアンニークの声なんだろうな…

 

Annique - Fly Little Bird

 

レトロを全面に打ち出した1曲。

アンニークの声はノスタルジーに徹していますが、サウンドの癖(へき)が自重しないのもいいです(笑)

コーラスワークも素晴らしいし、後半のアコーディオンの響きも美しい。明かりを消して、一日の終わりに聞きたくなる曲です。

 

まとめ

 

途中からコビー氏の音楽性(癖)に話がそれたような気がしないでもないですが、まずもってすごいのはアンニークの歌唱力です。

トラディショナル、レトロ、ロック…と何でも歌いこなせて、それぞれに陰影をつけるのもお手のもの。

声質もすごくいいし、まさに思い描いた現代ビンテージサウンドの旗手です。

 

なかなか日の目をあびないのが不思議でもありますが、今後もこの二人の音楽に注目していきたいと思います! 

 

 

Lady Wonder

Lady Wonder

  • Annique
  • ポップ
  • ¥1528