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MONO考えHITO感じる 世界の音楽紹介ブログ

踊るサックス奏者 Leo P ~ニューヨーク発の“ブラスハウス”に酔いしれる~

  

Fish & Chips

 

見事にサックスを操りながら

小気味いいサウンドに負けずとも劣らない

ノリノリなステップを披露する…

 

それがブラスハウスサンドの担い手である

Leo P こと Leo Pellegrino レオ・ペルグリーノのユニークなプレイスタイル。

多くのグループを渡り歩き、常に精力的なセッションを重ねている彼ですが、それはコロナ禍のNYでも健在です。

 

今回はそんな彼の最高にファンキーでエキサイティングなブラスサウンドをご紹介していきます。

海外のストリートサウンドに飢えている今だからこそ、ぜひ彼らのパフォーマンスからエネルギッシュなパッションを感じとってみてくださいね!

 


Too Many Zooz - Pink Yesterday (Official Video)

終盤のかけ声の声量が肺活量を物語ってるんよ…

 

 

略歴:NYの地下からビヨンセとの共演へ

 

LeoP( Leo Pellegrino レオ・ペルグリーノ)は、ニューヨークを拠点に活動するサックス奏者。

プレイ中のダンサンブルな足捌きと、常に変わるポップなヘアカラーがトレードマークです。

2014年にニューヨークの地下鉄でプレイした以下のような動画が注目され、話題となりました。

 


Lucky Chops @ Herald Sq

スーザフォンの彼に負担かかりすぎでは(笑)ベースより上パートのメンバーの方が動き小さいのなんでよ。

 

ブラスバンドの Lucky Chops、Too Many Zooz のメンバーでしたが

2017年に Too Many Zooz としての活動に集中するため Lucky Chops を脱退。

その後は Too Many Zooz のほかにソロ活動や、同じくサックス奏者の Grace Kelly グレース・ケリーとともに “2saxy” として長期におけるコラボレーションを発表するなど、常に精力的な活動をしています。

 

また2016年には Too Many Zooz としてビヨンセと共演しており、 CMA の“Daddy Lessons”にて見事なパフォーマンスを披露しました。

このステージはビヨンセ、チックス、バックバンドなどすべてが最初から最後まで素晴らしいパフォーマンスなのでぜひ見て頂きたいです。バンドメンバーでありながら間奏のソロを担当するなど、LeoP はかなりいい位置についてます(笑)

 

さらに彼らのオリジナル曲『Warriors』は Google Pixel 2 のコマーシャルソングにも採用されます。 

Warriors

Warriors

  • Too Many Zooz
  • ポップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

ビヨンセやグーグルとの仕事など、2年前に地下鉄でプレイしていた頃を考えると、まさに“アメリカンドリーム”の体現者ですよね。

 

プレイジャンルは主にジャズフュージョンスタイルが多いようですが

この『Warriors』でも顕著なようにハウスサウンドやダンスビートにも傾倒しているようで、彼ら自身はそれらブラスサウンドとハウスサウンドの融合を“ブラスハウス”とよんでいます。

 

2018年にはソロEPもリリースしています。

Sax Star Suite Pt. 1 - EP

Sax Star Suite Pt. 1 - EP

  • Leo P
  • ジャズ
  • ¥1224

  

YAMAHAバリトンサックスを使用

 

ここでサックスについて少しまとめてみましょう。

サックスの種類はピッコロ、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス、そしてコントラバスの9種類に分かれます。

 

この中で Leo P が使用しているのは、バリトンサックス。通称バリサクです。

アルトサックスより1オクターブ下の音域をカバーするため、両者でメロディーラインをとったり、ときに完全にベースラインとしてビート隊になったりもできる活動範囲の広い楽器です。

実際にLeoPもセンターになったりバックになったりのパフォーマンスが多いので、おいしい役どころと言えるかも(笑)それに、ただでさえバリサクはベースとしてかっこいい音が多いように思います。

 

サックス自体が管楽器のなかでも多くのパーツで構成されているため、各メーカー、各職人によって個体差があるのもおもしろいところなんだそう。

重量は115cm級で5~8kg とのことなので、LeoPのようにステップ踏むには普通にツライと思います(笑)

 

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写真はイメージ

 

LeoP は2019年にYAMAHAプレイヤーとして契約しており、現在はYBS-52バリトンサックスを使用。

マウスピースメーカーの the Theo Wanne(セオ・ワニ)とエンドースメント契約もしています。

 

www.yamaha.com

 

代表的なサクソフォーンのメーカーは

セルマー(フランス)、ユリウス・カイルベルト(ドイツ)、ヤマハ、ヤナギサワ(日本)

など。

 

www.selmer.fr

www.julius-keilwerth.com www.yanagisawasax.co.jp

 

調べてみたところバリトンサックスの平均的なお値段は最低でも70~80万スタートのようでした。

楽器全般に言えることですが、メーカーや音色のこだわりを十分に吟味したうえで慎重に選ぶ必要がありそうですね(汗)。

 

活動グループ

 

前述しましたように Leo P は いくつものグループメンバーとしてセッションを重ねています。

ここではそれぞれのグループにおける彼のパフォーマンスをご紹介します。

 

Lucky Chops

 


Lucky Chops - Problem (Ariana Grande Cover)

Leoがセンター陣どってるのもむべなるかな…という気はします(笑)

 

日本でもブラスバンド好きの間で人気のバンドです。

結成も2006年となかなかの歴史があり、Leo P が脱退した後も活動を継続しています。

彼が在籍していた頃はかなりファンクなサウンドでしたが、今は(というか本来は?)メロディラスな音楽も得意のようです。

往年のヒット曲から最新のヒットソングなどカバー曲もたくさん。

時おりLeoともセッションしているので、また彼らのサウンドが聞ける日もあるかもしれません。

 

Too Many Zooz

 


Too Many Zooz - Car Alarm (Official Video) 

 

現在 Leo P の主軸となるグループ。

Lucky Chops と比較すると、今っぽいダンサンブルビートでスタイリッシュになっているのが分かりますgoogleはこの部分に目をつけたのでしょう)

防犯アラームから始まる何とも型破りでけたたましい音楽(笑)ですが、こういうイタズラからクリエイトしていくのが何とも Leo Pっぽいです。

途中はバリトンでラップ(?)もやります。

 

2saxy

 


GRACE KELLY GO TiME: Fish & Chips Feat. Leo P #2Saxy

 

まずもって好きなタイプのネーミングでこれだけで応援したくなる。

Leo Pは当然ジャズフュージョンにも非常に積極的で、これまで様々なステージを踏んでいます。

なかでもこの“2saxy”はかなり短いスパンで新曲を発表しているので、互いに強い思い入れがありそう。

この曲以外にもポップなイメージのPVが多くあるので、あまりブラスサウンドに興味がない人でもとっつきやすいかなと思います。

ちなみにグレース・ケリーはアルト・サックス奏者。

二つの音色がポンポンはねながら、時に絡みあい、時に自由奔放に会場を遊ぶ様は、聞いてるこちらも快感です。

 

サックスはアウトローでいい、アウトローがいい

 

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これは完全に私個人の偏見なので流してもらっていいんですが、昔からサックスには不良っぽいセクシーさを感じます。吹奏楽の裏番長みたいな… (笑)

ギリギリ動き回れるあのサイズと、斜にかまえたようなツンデレ音(そんな音は存在しません 笑)がそう思わせるのかもしれません。

もちろんプレイヤーによってなのでそんなことはないです。

一般のバンドでのベース担当はどちらかというとインテリで潤滑油のように、個よりバランスを重視する人をイメージするのに

なぜブラスバンドのサックスはブチかますイメージなのか我ながら不思議です。

 

皆さんの好きな楽器は何ですか?

筆者はブラスバンドが大好きなので、今後も気になった世界のブラスロックなどについてもご紹介できればと思います。

ちなみに私個人のフェイバリットは、目立たずとも(笑)曲の空気感を変幻自在に動かせるホルンです♪

 

インストゥルメンタルミュージックの醍醐味は

実際にプレイしているとき、他者の演奏を聞いているとき、トリオ/カルテットのときなど、演奏形態でも感じ方が変わることです。

ぜひ気分に合わせてお気に入りの一曲を聞き比べてみるとおもしろいかもしれません。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。