K-POPが世界で勢いのある今、改めてアジアのアーティストに注目が高まっている気がします。
フィリピンは国まるごと音楽大国ですし(一般的な歌唱レベルがとんでもない!)、中央アジアなどのエキゾチックさを残しつつも透明な響きの音楽には、誰しも酔いしれてしまうはず。
この機会にもっとアジア音楽特有の「キラメキ」に触れて頂ければと思い、今回はわたしの大好きな台湾歌手 A-Linこと黄麗玲(ホァン・リーリン) についておブログしていきたいと思います。
台湾の人気シンガー A-Lin 黄麗玲(ホァン・リーリン)
A-Lin《 迷霧 The Mist 》 Official Music Video - 電影『魔宮魅影』主題曲
しっかりとした、けれど哀愁のある低音の響き。
音の空間を探るような色気。
情感たっぷりに歌っているのに、どこか軽やかで清涼感のある表現力…。
あげればキリがないほど、彼女の歌唱には魅力が溢れています。
A-Lin こと黄麗玲(ホァン・リーリン)は1983年台湾に生まれます。
台湾の民族・阿美族出身。
学生時代に同級生に薦められ様々なオーディションに参加。スカウトがきっかけで芸能界入りを果たします。
2006年2月にファーストアルバム『失恋無罪』をリリース。
その後、着実に知名度・実力をあげ、台湾のグラミー賞とも言われる「金曲奨」に最優秀北京語女性歌手賞として2009年・2012年にノミネートされました。
2015年にはドキュメンタリー番組「I am a Singer」に出場。プロの歌手を審査していくという斬新なアプローチで番組は大人気となり、A-Lin の知名度もさらに飛躍します。
彼女の2枚目のアルバムのタイトルである「天生歌姫」というそのままの異名をもち、いまや台湾を代表する素晴らしいアーティストとなっています。
様々な楽曲に挑戦する アーティストとしての貪欲な姿勢
台湾や中国、アジアの音楽っていまだに「純愛バラードで悲恋っぽい歌い方をするアレでしょ?」という印象をもたれる方も多いかも。
もちろん、そんなことありません!!
確かにバラードがヒットチャートにランクする割合は高いと思いますが、テクノポップやカントリー、ゴリゴリのロックなどアジアのショービジネスはめきめきと様々なジャンルで力をつけてきています。
とくに A-Lin は様々なジャンルを音楽にとりいれ、しっかりと成功しているアーティスト。その音楽のバランス感覚を武器に、バラエティーに富んだ楽曲をしています。
さっそくそのいくつかをご紹介します!
[avex官方HD] A-Lin 幸福了 然後呢 (MV完整版)
ハスキーな声を全面にだすバラードロックも得意。
前半と後半がまったく別の曲に聞こえるのは編曲の妙より、彼女の読解力の賜物。
どれだけ曲がハイライトに向かい気持ちが高まっていこうが、芯に冷静な部分をもって歌っているのがよく分かります。
アメリカのカントリー歌唱を彷彿とさせる部分もあるので、上質なカントリーにも挑戦してほしいな。
またA-Lin は自らのルーツにとても誇りをもっています。
オーディション番組にて、自然のパワーとフィーリングを大切にする台湾民族の素晴らしさを開放的にパフォーマンス。会場をおおいに沸かせました。
黄丽玲 《一想到你呀》-《我是歌手 3》第九期单曲纯享 I Am A Singer 3 EP9 Song: A-Lin Performance【湖南卫视官方版】
大人っぽくハスキーな声のなかに、自然の土っぽさ、荒々しさを垣間見せるのもまた彼女の声の魅力の一つです。
オープニングは老人飲酒歌。圧倒的な抱擁感で自然と一体に包まれるような素晴らしい体験ができます。
余談になりますが、台湾はその歴史、民族ともにとても興味深く、しっかり勉強し直さなければと思わせてくれる国の一つです。
音楽にもそのDNAはしっかりと根強いているので、興味をもたれかた方は是非台湾音楽をチェックしてみてくださいね。
また、トラディショナルミュージックとR&Bを融合させたこんなお洒落な曲も歌っています。
Matzka Feat. A-Lin【嗚哇嗚U WA U】Official Music Video
この手の曲を力まず、サラっと等身大で歌えてしまえるのも彼女の実力。
個人的に一番彼女の力が発揮されると思うのは、こういうミステリアスなバラードだと思います。
A-Lin《 平衡感 Ping Heng Gan 》Official MV HD
入りからギュっと心臓を鷲掴みにされちゃう…!
ジャズっぽい軽快さとダークさを兼ね備えつつ、曲が重くなり過ぎないのが本当にすごい。バックサウンドと一体化したかのような繊細な声の在り方も素敵です。
そのバックトラックも聞きごたえがあって、とても大人っぽく豪華なナンバー。タイトルも秀逸ですね。
ディズニー『モアナと伝説の海』のカバーも担当してます。
A-Lin - 海洋之心 - 迪士尼電影《海洋奇緣》( “How Far I’ll Go” From “Moana”)
音楽は高音勝負じゃない!低音にこそしっかりエモーションを注ぎ込む
そしてA-Linは曲のもつ切なさを表現する歌唱力も去ることながら、全体の軸をしっかりと保ったままラストまでつなげるスタミナ(集中力?)がすごい。
とくに彼女の場合、高音以上に低音に繊細な気持ちをのせるがうまいと思う。
高音でエモーショナルに表現できる歌手はたくさんいるけど、低音に気持ちを染み込ませる歌手は少ない気がします。
こちらのライブもそんなスタミナが素晴らしいのです。
A-Lin《雨後彩虹 Rainbow》Studio Live Sessions
繊細さと大らかさを合わせ持った素晴らしい歌声、そしてその天性の声におごらず磨き上げられた歌唱力には時がたつのを忘れてしまいます。
日本観光局のアンバサダーに就任!
なんと彼女、2016年12月9日に日本観光局の新しいアンバサダーに就任したことも。島根県でそのPR動画を撮影しています。
A-Lin《 隨心所遇 As You Like It 》日本觀光推廣主題曲宣傳影片
こんな本気のPVも撮影してくれてたんですねぇ…!鳥取砂丘をバックに歌う姿が眩しくも美しいです。
駆け足でA-Linの魅力をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
日本ととても近く、昔からつながりのある国、台湾。
その歴史や文化を知るのに、このA-Linの歌が何かのきっかけになったら嬉しいです。