昔からなぜか“惹かれる地域のアーティスト”というのがいる。
未だ理由は分からないのだけど、ポーランド、アイルランド、バルカン、モロッコ、フィリピン、台湾、スカンジナビア、そしてギリシャという国や地域にはなぜか魅かれるアーティスト、好きになるアーティストが多い。相対的に耳に入ってくるのは英米韓の曲が多いのにちょっと不思議だ。
「半島だから」「文化交流地点だから」というのは音楽のグラデーション的に言えばそうだとも思うけど、何だかそれだけではないような気もする。なぜか「世界の片隅に豊かな歌がある」というイメージが強い。
今回紹介するギリシャ出身のアーティスト、マリーナ・スパノウ( Μαρίνα Σπανού )も、そんな自由で奥ゆかしく、同時に自由な歌声を纏うアーティストだ。
▶Taxidi(旅)
正確な語源は分からないけど、タクシーの音源が「旅」っていうのがいい感じ。
軽快なリズムと高揚感、そしてちょっぴり不安のある旅ならではの心情が、曲や彼女の凛とした声からも伝わってくる。
▶Gramma(手紙)
今のところこの曲が一番お気に入り。
この滔々と歌いながらもだんだんとブレスも思いもスケールを大きくしていくのが心地いい。聴いているだけど、自分の心がほどかれて、自由になっていくような。そんな気持ちの開放とギリシャ海の陽光が重なったり。
▶Panselinos kai Tria Asteria(満月と三つ星)
Panselinos(満月)、Tria Asteria(3つの星)らしい。
Marina Satti にも通じるようなギリシャの神秘的なトライブコーラスが印象的。同時に力強く、あらためて彼女の声の美しさにも酔いしれちゃいます。
軽めなテイストでギリシャ音楽を聴きたい、という方にはオススメ。
まだまだキャリアをスタートさせたばかりの新進気鋭のマリーナですが、ギリシャの公共放送で歌声も披露。
大御所&中堅が勢ぞろいのなか、そのど真ん中ならぬド横で歌わねばならないこのステージ…きついって(笑)
いやいや、全員一人前のアーティストとしてマリーナの曲を芸術として捉えてくれる姿に、こちらの背筋も伸びますね(でも正直ガン見は勘弁してほしいよな、マリーナ…)。
うって変わってこのステージは本当にすてき。www.youtube.com
もうね、聴き手が部屋でレコード聴いてる感じで自然体すぎる。でも、自分のなかで、自分のペースで音楽を噛みしめてる感じ。音楽を囲んでる、とでもいうのかな。
どうしてもステージプログラムとなると見せ方に趣向を加えがちで、例えばこのステージをそのまま英米の音楽プログラムでやっても同じ雰囲気にはならないと思う。
ギリシャ音楽には、自分より大きなもの(例えば自然とか時間とか)に「捧げる音楽」でありながら、それと同時に自分の「片手に十分収まる」ような、そんな素朴な価値が脈々と受け継がれている気がしてならない。
そんな雰囲気を体現したような、品のある、でも見せることを意識しすぎない、近年稀にみるバランスのとれたステージだった。
まだまだ夏には早いけれど、ギリシャ音楽を聴くとどうしてもあの日差しを感じずにはいられない。
ギリシャだけに限らず、地中海やモロッコ音楽にも大好きなアーティストがいるので、時間が許すかぎり書いていきたい…!
追記
今年のユーロビジョン2024、ギリシャ代表は以前紹介したマリナ・サティ!
ちょっと癖ツヨだけど、マリナ・サティ節を爆発させて思いっきり歌ってダンスでも魅せてほしい。そういえば、今年はギリシャにとってユーロビジョン参加50周年の記念の年らしい。マリナ、誇っていけ~~~!!!
ユーロビジョン2024は5月8日開催!!開催地は昨年の優勝者ロリーンの出場国スウェーデンはマルメです(ロリーン、すごかったね…)。
今年はハチミツをたらしたウゾー(Ouzo)片手に、年に一度の国際パフォーマンスステージを楽しむつもり。
▶ユーロビジョン・ギリシャ音楽についての記事はこちら
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後も色々な音楽を聞いてブログに書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂けたら嬉しいです!
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